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首都圏の大学でカルト新聞4000部を無断配布

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tokyou02.jpg 宗教、洗脳、自己啓発セミナー、悪徳商法……身近に潜むニッポンのカルトな風景に「やや日刊カルト新聞」の藤倉善郎がゆる~く切り込む!  新聞といえば、契約を取るためには押し売りや悪徳商法まがいのことすらする悪名高き「新聞拡張団」の存在なしには語れません。新聞社とは別に、新聞の定期購読のための訪問販売を行う勧誘員集団です。有名新聞すらも「インテリが作ってヤクザが売る」と揶揄されるゆえんです。  しかし筆者が主宰する「やや日刊カルト新聞」は、トークイベントやコミケでお客様を待ち構える“受け”の販売しかしてきませんでした。新聞を名乗るからには、新聞拡張団のような“攻め”の姿勢も見せたいところ。というわけで、今年4月の約1カ月間、首都圏の大学を回って無断で新聞を配りまくるという活動をやってみました。  春先の大学では、大学生活のダークサイドをまだ知らない無垢な新入生を狙って、一般的な学生サークルに紛れてさまざまなカルト団体が勧誘攻勢をかけます。そこで大学生に向けて、カルト団体の名称や手口を伏字なしで掲載しまくった「やや日刊カルト新聞 2013年新入生歓迎特別版」を配りまくってやろうというわけです。 ■限界への挑戦  近年、全国の大学でカルト対策の機運が高まっています。2009年に設立された「全国カルト対策大学ネットワーク」には160以上もの大学が参加し、相互にカルト情報を交換しています。各大学で対策内容は違いますが、学生に注意を呼びかける掲示や配布物は基本中の基本。中には、学生向けにカルト問題に関する講義を開催したり、ガイダンスなどでカルト問題の専門家の講演を入れたりする大学も。カルト団体のダミーサークルに対して大学の公認を取り消した大学もあれば、サークルによる勧誘活動を届出制にしたり勧誘活動期間を定めてそれ以外の勧誘を許さないようにしつつ、大学職員が監視の目を強めたり。  とにかく、多くの大学が、カルト対策を頑張っています。  しかし限界はあります。ちょっとディスるとすぐ抗議してくるカルト団体のこと。大学側も警戒して、団体名を名指しして学生に注意を促すなどの対応はなかなかできません。  そこで、「やや日刊カルト新聞 2013年新入生歓迎特別版」では、統一教会、摂理、顕正会、親鸞会、ヨハン教会連合(ヨハン早稲田キリスト教会)、オウム真理教(アレフ)、幸福の科学、創価学会を名指し。大学での活動の問題を指摘し、学生に注意を呼びかけるため、無料で配布することに決めました。しかもカルトが大学に抗議することがないように、大学には無断で、カルト新聞の責任において勝手に配布することにしました。 tokyou01.jpg ■国公立大学ではやりたい放題  最もやりたい放題だったのは、東京大学駒場キャンパス。1限目が始まる前に、新入生の授業がある教室の机に新聞を置きまくりました。それが終わると、今度は構内の路上で「やや日刊カルト新聞」ののぼりを掲げ、授業に出席するためにやってきた学生たちに新聞を手渡し。最後は、学内の掲示板に勝手に新聞を貼りまくりました。  これだけやっても、大学の職員も教員も警備員も、誰も何も言ってきません。そりゃあ、カルト勧誘もやりたい放題になるわけです。  同じように警備が緩かったのは、首都大学東京や一橋大といった国公立大学です。私立大学は、あからさまに警備員が巡回していたりして、敷地内での配布は困難でした。早稲田大学や明治大学などでは、校門前の公道で配布を中心に行いました。基本的に複数人で配布していた上に、週刊誌やテレビの人が新聞配布の様子を取材しに来たりするなどしていたので、はた目にはずいぶん賑やかだったのではないかと思います。 syutou.jpg  明治大学では、大学職員たちが何人も出てきて、遠巻きにこちらを見守っていたりしました。  「カルト新聞」とでっかく書かれたオレンジ色ののぼりを立てて、謎の新聞を配る集団。そりゃあ大学関係者も怪しむでしょう。しかし学生の反応は案外よく、そこいらの資格の専門学校のティッシュなんかより、よっぽどたくさん受け取ってもらえました。通り過ぎた後、新聞を受け取るためにわざわざ引き返してくる学生もいました。筆者が悪ふざけして、 「カルト新聞だよ! 呪いのカルト新聞だよ! 読まないと地獄に落ちるよ!」 「恐怖新聞です!」 「日本一怪しい新聞配ってます!」 などと叫んでいたものだから、我々のことをカルトだと思った学生も多かったようです。しかし、それはそれで学生たちは喜んでくれました。通りがかった大学の先生が、「私の授業で学生に配る」と言って、ごっそり持って行ってくれたこともありました。「カルト新聞(のウェブサイト)読んでます!」とか「藤倉さんの本読みましたよ!」という学生もちらほらいて、中にはサインを求めてくる新入生まで…… ■創価大学前で警察沙汰に soukau02.jpg  この新聞配布活動は、「やや日刊カルト新聞」のウェブサイト上で予告したのですが、「○○大学で配ってほしい」という匿名のリクエストがいくつか寄せられました。その中に創価大学もありました。  創価大学の学生自体が、そもそもカルト信者じゃないのかという声もあるかもしれません。しかし創価大学の学生だって、統一教会などの街頭勧誘に出くわすことはありますし、某カルト団体が創価大学でビラまきを行ったことがあるという情報もありました。創価学会の信者とはいえ、彼らが他のカルト団体の勧誘に引っかかるのを見て見ぬふりはできません。  創価大学の学生もカルトから守らねば。そんな使命感に燃えて、筆者は八王子にある創価大学の正門前に立ちました。  しかし新聞を配るより前に、のぼりを掲げた時点で大学の職員が飛んできました。あっという間に2~3人の職員に囲まれ、「許可は取っているのか」「迷惑だからやめろ」と威圧されます。構わず新聞を配り始めると、職員たちはビデオカメラでこちらを撮影し始めました。ずいぶん手際がよくビデオカメラが出てくるものです。 soukau01.jpg  筆者と一緒に新聞を配っていた本紙・エイト記者に、職員が詰め寄ります。 「これ、これ! うちの!」  職員が指さす先には、「やや日刊カルト新聞」の「カルト教団」という大見出しや麻原彰晃受刑者、大川隆法総裁に並んで、池田大作先生の御顔が。 「ああ、池田大作さんですね」(エイト記者)  職員は、筆者に対しても「うちのどこがカルトなんだ! 説明してみなさいよ」と詰め寄ってきます。配布している紙面に、他大学に通う創価学会の信者学生が大学祭に偽装出店して宣伝活動をしていることが書かれていました。偽装伝道・偽装勧誘をしている時点で反社会的です。 「どこがカルトなのか、この新聞に書いてあるので読んでください」(筆者) 「読まないよ。あんたが自分で書いたんだろ。だったら説明しなさいよ」(職員) 「だから新聞を読んでください。読んでわからなければ質問してください」(筆者)  こんなやり取りをしながら新聞を配っているうちに、筆者たちを見張る職員の数は5~6人に。道の反対側から遠目に見張っている職員を含めると8人はいそうな勢いです。職員たちはしきりに「警察呼んだから」「警察まだ来ないな」と繰り返します。  他大学でも同じように新聞を配ったのですが、こんな対応をされたのは後にも先にも創価大学だけです。  そのうち学生の流れも少なくなったので引き揚げようと思ったのですが、「警察呼んだなら、警察が来るまで立ち去らないほうがいいですね」と言って、まばらになった学生たちに新聞を配り続けました。  創価大学の学生たちも、案外と新聞を受け取ってくれました。通りすぎてから引き返してきて新聞を受け取っていった学生もいました。職員が「受け取らないでいいですよ~」と言って、配布活動を妨害していたのですが、あまり効果はなかったようです。 soukau03.jpg  やがて警察が来たので、筆者たちは身分、目的、新聞の内容を全て正直に説明。警察官は「公道であっても、道路を占有するのだから警察の許可がいる」と言うのですが、こちらは道路を占有などしていません。通行の妨害も一切していません。それでも、どのみち引き揚げようとしていた矢先だったので、「とりあえず今日のところは収めてよ」という警察の言葉に従って、配布活動を終え、その場を後にしました。 ■トイレ貸してください  最近、やや日刊カルト新聞の編集部では、カルトの施設を見ると猛烈に尿意を催すという奇病が流行しています。  少し前、筆者が雑誌で書いた記事に幸福の科学が抗議してきて担当編集者を総合本部に呼び出したのですが、記事執筆者である筆者の同席を拒否しました。そこで筆者は、幸福の科学総合本部の前で「幸福の科学 DON'T IGNORE ME(私をシカトしないで)」というプラカードを首から下げて、「私に抗議して」という抗議活動を行いました。  教団広報との話し合いの末、とりあえず抗議活動を終了して撤収しようとしたのですが、その際、同行していたエイト記者を猛烈な尿意を襲います。すぐそばにコンビニは見えません。しかし幸福の科学は昨年末から、やや日刊カルト新聞の記者を全員出入禁止にしています。 「トイレ貸してくれませんか。漏れそうでヤバイんです」(エイト記者) 「仕方ありません。人道的配慮です」(教団広報)  エイト記者は「人道的というか、尿道的に助かった」と、幸福の科学に感謝していました。「幸福の科学総合本部のトイレに入ったら、心が洗われたような気分になった。手を洗うのは忘れた」とも言っていました。  創価大学の前で新聞を配り終え、警察への説明も終えて帰ろうとした時、今度は筆者が尿意発作に襲われました。 「トイレ貸してもらえませんか」(筆者) 「そういうことはしてません」(創価大学職員) 「幸福の科学は貸してくれましたよ」(筆者) 「うちは違いますから」(創価大学職員)  筆者たちは新聞配布後、正門向かいにある富士美術館(設立者:池田大作氏)で絵画を鑑賞する予定だったのですが、まだ開館していませんでした。警備員に「先にトイレだけ貸してもらえませんか」とお願いしましたが、警備員は「ちょっと待って」と言って立ち去り、そのまま開館時間まで筆者を放置しました。  開館後、ダッシュでトイレに駆け込みました。それでなんとか事なきを得たからいいようなものの、創価学会の関連組織は実に非尿道的であると言わざるを得ません。 ■「カルトな新聞拡張団」反省会  結局、この4月は首都圏10大学11キャンパスで計4000部以上を配布しました。新聞のデータをネット上で公表し、読者にも印刷と配布を呼びかけたのですが、ここでは1000部を印刷して配ってくれた読者がいたほか、北海道や愛知県の大学でも配布してくれた読者がいたようです。  中でも東京大学では、3回にわたって計2000部近くを配布しました。大学側の監視がゆるゆるだったという理由のほかに、現役学生の手引きと支援があったことが大きな要因でした。実際、東京大学は実にさまざまなカルトから狙われている(カルトも優秀な学生を欲しがっているのでしょう)ので、実にありがたい支援でした。  その現役東大生との雑談中、こんなプランが持ち上がりました。 「大学内で学生の手による“カルト新聞愛読者の会”のようなサークルを作ってもらい、来年度は学生の手による学内配布を目指してはどうか」 「カルト新聞の関連団体だと思われないように、“カルト新聞を糾弾する会”のほうがよくないか」 そこで6月6日、阿佐ヶ谷ロフトAで、やや日刊カルト新聞主催のトークイベント「カルトな新聞拡張団・営業反省会」を開催することにしました。今回の新聞配布活動に協力してくれた読者有志を招いて配布活動の報告と反省。さらに、来年に向けて、学内サークルの設立や配布活動に協力してくれる学生を大募集しようと思っています。 イベントには学割料金も設定したので、興味ある学生さんの参加をお待ちしています。もちろん単なる冷やかしも大歓迎ですが、「カルトな新聞拡張団」に参加表明してくれた方には、洗剤あげます。 「カルトなニッポン見聞録」過去記事はこちらから ●ふじくら・よしろう 1974年生まれ。東京出身。0型の乙女座。宗教やスピリチュアル団体をめぐる「カルト問題」を取材するフリーライター。ニュースサイト「やや日刊カルト新聞(http://dailycult.blogspot.jp/)」主筆。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社新書)。 ●やや日刊カルト新聞社主催「カルトな新聞拡張団・営業反省会」 【日時・料金】 2013年6月6日(木) OPEN 18:30 / START 19:30 前売¥1,500/当日¥1,600/学割¥1,000(全て飲食代別) ※学割料金:高校、高専、大学、短大、専門学校の学生証提示 前売りチケットはローソンチケット【L:39297】、ロフトAウェブ予約にて、5月3日より発売開始!! 問合せTEL:03-5929-3445(阿佐ヶ谷ロフトA) 【会場】 阿佐ヶ谷ロフトA 東京都杉並区阿佐谷南1-36-16-B1 JR中央線阿佐谷駅パールセンター街徒歩2分 【出演】 藤倉善郎(やや日刊カルト新聞社主筆) 鈴木エイト(やや日刊カルト新聞社副代表) アンチ創価学会活動家 アンチ民青活動家 ほか交渉中!! これまでネットで書き散らかしたりコミケやイベントで新聞を販売するだけだった「やや日刊カルト新聞」。それがこの4月、突如として首都圏の大学で学生に新聞を無断配布する暴挙に出た。目的は「学生をカルト勧誘から守るため」。首都圏10大学11キャンパスで計4000部以上をばらまき、さらに読者有志が北海道、埼玉県、愛知県で計1000部以上を配布。ところが、やや日刊カルト新聞メンバーが勢い余って創価大学でも新聞を無断配布して通報され警察沙汰になるわ、配達途中の主筆が交通違反で警察に捕まるわ、カルト団体から痴漢冤罪工作を計画されるわ、学生から鼻で笑われるわ。そんな“カルトな新聞拡張団”の大反省会。来年はもっと計画的に大学で新聞を配布するため、学内サークル設立協力者の学生を大募集! 今なら押し紙10部と洗剤差し上げます。

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