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愛らしい顔立ちや話し方で人気の楊鎧凝(セリーヌ・ヤン)
香港で今、子役アイドルが出版した写真集が大きな問題になっている。写真集のタイトルは『童萌時光』で、モデルは香港の人気子役アイドルである楊鎧凝(セリーヌ・ヤン)。
2008年7月生まれでもうすぐ7歳になるセリーヌは、3歳から広告モデル活動を始め、香港マクドナルドやレストランチェーンをはじめ数々のCMに出演するなど、お茶の間ではすっかりおなじみの顔に。その後、2013年には5歳で女優デビューを果たし、今ではさながら“香港の芦田愛菜”ともいえる存在になっている。
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『童萌時光』に掲載された写真の一部
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今回の写真集は韓国で撮影したもので、セリーヌの愛らしい表情や仕草を写した普通の写真ばかりなのだが、その中に下着が見えたり、股を開いているポーズの写真が数枚あったことから、これは児童ポルノではないかと問題視する人が出てきた。
写真集の発売を記念して行われたサイン会の席で、記者からそれを指摘されたセリーヌの母親はビックリ。母親は写真撮影の場には立ち会ったものの、スケジュールの都合から写真の選択には関わっておらず、写真集の中身をまだ見ていなかったというのだ。
この件がマスコミで報じられるや、一大騒動に発展。セリーヌ側は予定していたブックフェアでのサイン会出席を急遽見合わせ、出版社側も写真集の出版を取りやめることを決定した。
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過去には入浴シーンの写真が撮影・公開されたこともある
今回の撮影を担当したカメラマンであり、写真集の出版元の責任者でもあるロナルド・ラム氏は「この写真集は子どもの天真爛漫さを表したもので、決して扇情的なものではない。どうしてみんなそういう角度から見るのか理解できない。写真はすべて自然の流れの中で撮影したもので、ポーズを要求したりなどしていない」と説明している。
一方、市民からの通報を受けた香港警察は捜査を開始。香港の「防止児童色情物品条例」では、児童ポルノを印刷、制作、配布した者は、罪が認められれば最高で200万香港ドル(約3,200万円)の罰金および懲役5年の刑が科せられることになっている。
ラム氏は写真選択の際、確かに“親の視点”から見れば選ぶべきではなかったものもあると認めているが、子どもの無邪気で何気ない仕草の写真までが児童ポルノと見なされてしまう時代、子役アイドルの写真集出版は、これからますます難しくなっていくだろう。
(文=佐久間賢三)