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凍らせておいしいお菓子を研究する、製菓メーカー菓子研究家

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製菓メーカー菓子研究家の稲垣章さん。毎日、新商品を見つけては実際に食べて記録しているという。
身の回りにいそうでいない、ちょっと変わったことをしている人や、面白そうな場所に、文筆家のやきそばかおるが直撃取材!  「それにしても暑い! アイスを買いに外に出るのもイヤだ!」というアナタ。もしもそばにお菓子があったら、それを凍らせて食べてみてはどうだろう? 実は、コンビニやスーパーで手軽に手に入る製菓メーカー菓子が大好きで、凍らせて食べるとおいしいお菓子を調べている人がいる。名前は稲垣章さん。稲垣さんおすすめの、凍らせておいしいお菓子は一体なんなのか? 早速聞いてきた。 ■初めて凍らせて食べたお菓子
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やきそば(以下「や」) 「お菓子を冷蔵庫に入れることはありますが、凍らせてみようと思ったきっかけは?」 稲垣さん(以下「い」) 「小さな頃からお菓子が好きで、駄菓子屋さんに売っている『蒲焼さん 太郎』『焼肉さん 太郎』といったようなお菓子をよく食べてたんですけど、小学生の時に食べかけの『蒲焼さん』を、腐らないようにと思って冷凍庫に入れたんです」  「おお~、いきなり冷凍庫に入れちゃうところが、いかにも小学生的発想ですね(笑)」  「カチンカチンに凍らせて食べてみたら、パリパリ感がたまらなくて、駄菓子独特のベタつき感もなくなってて、非常においしかったんです」  「性の目覚めならぬ、氷(ヒョウ)の目覚めですね」  「大人になってから、ある日、急にそのことを思い出して、それでいろいろなお菓子を凍らせてみるようになったんです」  稲垣さんは書籍や雑誌の編集の仕事をする傍ら、8年ほど前からいろいろな製菓メーカー菓子を研究するようになったという。お菓子を凍らせて食べるのは、その研究の一環である。毎日、コンビニやスーパーで新商品を見つけては実際に食べて、味や特徴を記録する日々だ。  「凍らせて食べると、常温の状態のものと食感や味の違いが出てくるんです」  稲垣さんの話では、人間は冷たいものに対しては甘味を感じにくく、逆に塩気を強く感じるようになるという。お菓子によって、常温と凍らせた時とでは味にギャップが生じるというわけだ。  「では、凍らせて食べるとおいしいお菓子を教えてください」
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 「『パイの実 塩バニラアイス味』です」  「アイスではなく、常温のお菓子として売られてるんですね」  「常温と凍らせた時の味のギャップが楽しめます。常温で食べると、黒糖の香りと甘さがフワッと口の中に広がっておいしいんですけど、塩バニラの味があまりしないんです。でも凍らせると、塩バニラの風味が感じやすくなります。凍らせてもサクサク感は失われないので、ぜひ凍らせて食べてみてください。パッケージにも、冷やして食べてもおいしいと書いてあります」  「お菓子メーカー側も、冷やして食べることを意識してるんですね」
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 「次は『バームロール』です」  「出た! 全国のおばちゃんの御用達、ブルボン」  「ポイントはお菓子の空洞です。凍らせて口に入れると、噛んだ瞬間に空洞部分の冷たい空気がフワッと口の中に広がって、気持ちいいんです」  「食感は?」  「常温だとしっとりしていますが、凍らせるとクッキーに近いものになります」 冷たい空気がフワっと口の中に広がる感触は、かなりヤミツキになるそうだ。
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 「次はコチラです」  「懐かしい! 『LOOKチョコレート』ですね」  「食べたことがある方ならお分かりだと思いますが、『LOOK チョコレート』は手で持った時に溶けやすいんです」  「あ~、確かに!」  「凍らせると、溶けにくくなるほか、パリっとした食感が味わえます。ポイントは、チョコの部分は凍っても、中のクリームの部分は凍らないっていうところでして。パリっとした食感の後で、中のクリームが出てくるんです。『パリッ&トロ~ン』その食感が楽しいですね」  「すごい! お菓子のことを語る稲垣さんの目もトロ~ンとしてますね」 ■賛否両論のお菓子 okashi06.jpg  「次は『禁断のラムネ』」  「あ! これは今、話題になってますね。ウチの近所のコンビニにも置いてあって『おいしいという意見と、そうでないという意見が真っ二つ!』ってPOPに書いてありました」  「う~~ん。実はそうなんです。中はサクサクしたラムネで、外はチョコレート。酸っぱさの中に、チョコの味がしてくるっていう……」  「(実際に常温で食べてみました)う~ん……確かに、なんともいえない味ですね。グルメレポーターだったら、『好きな人にとっては好きな味ですね』って言って逃げそう……」  「でも、凍らせて食べたらおいしいんです」  「ひょえ~~」  「凍らせると、甘味をあまり感じられなくなります。チョコの風味がトロ~と広がる前に、噛んでしまうのがおすすめです」 ※後日、実際に凍らせてみると、ホントに冷たくて、ラムネを噛んでいるような食感が味わえておいしかったです。おすすめ。  「買ってみたものの、なんだかイマイチだな~というお菓子があったら、とりあえず凍らせてみましょう。意外においしくなるかもれません」  「おお~。たくさんのお菓子を凍らせて食べてきた稲垣さんならではの、説得力のあるお言葉!」 okashi07.jpg  容器に2~3個(粒)ずつ入れて、冷凍庫へ。なんのお菓子かが分かるように、容器には番号が書かれてある。冷凍庫で一度に30種類以上を凍らせている時も。 ■その他、おすすめのお菓子  せっかくなので、稲垣さんにおすすめのお菓子をさらに2点紹介してもらった。コチラは冷やすというよりは、そのまま常温で食べることを推奨。 okashi08.jpg  「『やわらかく濃厚な半熟仕立てのしっとりスイーツ チーズケーキ風味』」  「(食べてみました)おお! 『禁断のラムネ』もカバヤ食品だったけど、こちらは本当においしいですね。いや、『こちらは』って言うと語弊がありますけど(笑)」 okashi09.jpg  「あとは、『ファッジ fudge』です。砂糖を結晶状態で利用したお菓子で、しっかりと森永キャラメルの味わいがありながら、ほろほろと崩れる感じがたまりません」  「これ、ガツガツ食べられますね。キャラメルにありがちな、歯につく感じがありません」  「キャラメルって、好きだけど舐めて溶かすのには時間がかかりますが、これなら仕事の合間にもサッと食べられておいしいです」  最後に、稲垣さんにお会いした時から気になっていた、あるコトについて聞いてみた。  「ところで、稲垣さんはお菓子をたくさん食べているのに、なぜ痩せてるんですか?  「自分でも分からないんですよ~。体重はずっと50キロ以下なんで、体質なんですかねぇ~」  もはや、空気を吸ってても肉がつくような私とは訳が違う。稲垣さんはお米をほとんど食べないそうで、お菓子とお酒とツマミがメインの日々だそうだ。量も一度にたくさん食べるということはしないそうなので、そのへんが太らない秘訣なのかもしれない。
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稲垣さんのスマートフォンの待ち受け画面。お菓子の中でも一番好きだというチェルシー。
niyaniyasss.jpg ●やきそば・かおる 山口県出身、東京都在住。ライター、構成作家、写真家。趣味は、変わった人に会って、変わった話を聞くこと。「相づちだけはうまいと言われます」(本人談) Twitter@yakisoba_kaoru

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