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「当局が販売規制に動く可能性も!?」首相官邸に墜落した“中国製ドローン”の正体とは――

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首相官邸に落ちたとみられるPhantom 2
 4月22日、首相官邸の屋上にドローン(小型無人機/マルチコプター)が落下していた事件で、次世代技術が抱える危険性があらためて浮き彫りとなった。一方、捜査関係者はこのドローンが中国DJI製の「Phantom 2」という機種だったと伝え、各メディアが一斉に報じた。今年1月、米ホワイトハウスの敷地内に墜落したドローンも、このPhantomだった。  では、このDJIとはどんな会社なのか? 一部マスコミでは「香港のメーカー」という記載も見られるが、DJIのHPや百度百科(中国版Wikipedia)によると、どうやら会社の登記地が香港で、本社や拠点は中国広東省深セン市にある。従業員数は2,500人(2014年末時点)で、大陸出身の創設者フランク・ワン氏が香港科技大学を卒業後、06年に資本金約3,000万円でDJIを設立したという。12年、ホビー機よりも高性能で、業務用より安価なPhantomを発売し、世界的なヒットとなった。15年現在、世界のドローンの約7割がDJI製で、市場の売り上げの約半分を独占しているのこと。14年の販売額は、1.3億ドル(約156億円)に上ったという。
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創設者のフランク・ワン氏。中国浙江省杭州市生まれで、まだまだ若い
 一方、現在DJIの社長を務める李沢湘氏は、電子工学の博士で、香港科技大学やグーグル香港の責任者を経て、現在は上海交通大学の教授も務めているという。湖南省の農村出身で、アメリカ留学経験もある有名な人物だ。ドローンに詳しいホビー機販売業の男性は言う。 「日本でドローンといえばPhantom 2です。価格もフルセットで15~20万円とお手頃で、空撮ファンや、映像製作会社の人がこぞって購入しています。高性能な3軸ジンバル(回転台)と1,400万画素のカメラを装備しているので、とてもキレイな映像が撮れます。飛行時間は満充電で20分程度。これでも、かなり飛行時間が長くなりました。DJIのドローンは、20~50万円するホビー機と業務用の間の幅広い需要に対応した機種を販売しており、世界中で人気。品薄状態ですね」
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2014年上海エアホビー展に出展していたDJIのブース
 国産ドローンは、千葉大学の野波健蔵教授が手がけたMS-06が有名だが、こちらは災害や警備での使用が想定され、完全受注製で価格も1機200~300万円と高めだ。もちろん、性能や技術力はDJI製より勝るといわれているが、価格と納期に課題があり、テレビ局を含め映像関連の業務用では圧倒的にDJI製が人気だという。 「首相官邸に落ちたドローンは黒く塗装されており、趣味で飛ばしていて落ちたホワイトハウスの例とは違う。ペットボトルや発煙筒を装着していたとも報じられており、明らかに攻撃の意図があったのではないか。日本で販売されているドローンの7割はDJI製です。中国製ということもあり、過剰反応した当局が販売規制に動くのでは、と心配しています」(同)  事件でドローンをめぐる状況が一変する中、DJI製品にも大きな影響が出ると思われる。 (取材・文=金地名津)

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