![ヌルヌルのオヤジの手で食べるカリカリの『ワニの手唐揚げ』の画像1]()
ディープゾーン味園ビルにある「赤狼」。珍獣料理が食べられる。
世間では、食人映画への出演を強制されたと言われるアイドル女優の出家が話題になっているが、「人食い」といえば女優より「ワニ」ではないか。そのワニを逆に食ってしまおうという店に行ってきた。
場所は、大阪・難波にある「味園ビル」。このビル、ディープな難波でも最もディープな場所のひとつで、東京でいえば新宿ゴールデン街と高円寺のマニアショップと下北のライブハウス街がいっしょくたになったような建物なのだ。ベタベタとフライヤーが貼られた扉や立て看板の並ぶ通路を通り抜け、やっと見つけたのがその店だった。
薄暗い店内のカウンター席に座り、さっそく「ワニの手」料理に関して聞くと、オネーさんが丁寧に教えてくれた。
「ワニ肉はグラム単位の量り売りになるので、手が食べたいならワニ、鹿、イノシシの三種盛りがお得ですよ」
フムフム、じゃあ、それをくださいませとお願いした。すると、さすがに珍獣の肉を目当てに来る客が多いようで、調理前の「ワニの手」を皿に乗せて見せてくれたのだ!
![ヌルヌルのオヤジの手で食べるカリカリの『ワニの手唐揚げ』の画像2]()
調理前のワニの手。皮を剥かれた肉がさすがに生々しい。
これよ、これこれ! ワニ肉料理の店は数あるが、手というか足が付いたまま提供している店は少ない。こういうのが食べたかったんだ!
ピンク色の生肉の先っぽに皮が付いたままの「ワニの手」は、小型犬の子犬の前足くらいの大きさではあるが、鋭い爪も備わっていて、なるほど、迫力がある。
「これは前足です。後ろ足はもっと大きくて筋肉質なんです。オーストラリアの養殖場から届いた肉なんで、人間は食べてませんから(笑)」
「食べ◯グ」の公式情報では「魔境アマゾンの人喰いクロコダイル!」と煽っているが、真実は得てしてそんなものである(笑)。定番ネタでひと笑いとるのは、やっぱり大阪的サービスなのだろうか。
そして数分後、さっきの生々しい手が、少し握りしめた感じの唐揚げとなって目の前に現れるのだった。写真を撮ろうとその手をつまんだら、めっちゃ熱い! そらそうだ、揚げたてだ。調理済みの「ワニの手」と感動の撮影をして冷ましたところで、手に「手」を取り、肉の部分にかぶりついた。
![ヌルヌルのオヤジの手で食べるカリカリの『ワニの手唐揚げ』の画像3]()
唐揚げとなって再登場したワニ。肉は淡白だがそれほど量は付いていない。
「……ん? 鶏肉?」
その食感は、歯ごたえのある鶏肉という感じで味は淡白だ。肉は少ないので、アッという間に完食してしまうと、オネーさんが、「手も食べられますよ」と。
「ホンマか?」
恐る恐る、ウロコの鎧を纏ったその手に噛り付いた……。が、読者の皆さん、歯の隙間や口内がウロコだらけになるので、手は食べない方がいいかもしれないですハイ……。
しかし、イノシシや鹿肉は非常に食べ応えがあり、ビールともよく合うひと皿だった。
イケメンや可愛い女のコではなく、アブラぎったオヤジに興味本位に食欲を満たされてしまい、ワニもさぞや不本意だったに違いない。しかし、非常に美味しくいただかせてもらい感謝します。「ワニの手」うもうございました。
![ヌルヌルのオヤジの手で食べるカリカリの『ワニの手唐揚げ』の画像4]()
盛り合わせの鹿肉も、ジューシーというよりはさっぱり系だ。
赤狼「肉々盛り合わせ」3,500円
インパクト ☆☆☆!!
味 ☆☆
店 ☆☆☆
(写真・文=よしよし)