今週の注目記事 1位 「日本が頭を抱える4つの最悪シナリオ2017」(「週刊新潮」1/12号) 同・2位 「新聞・テレビが報じられない天皇陛下『安倍総理への不満』」(「週刊現代」1/14・21号) 同・3位 「生長の家・谷口雅宣総裁インタビュー」(「AERA」1/16号) 同・4位 「100年生きるのは幸せか」(「週刊現代」1/14・21号) 同・5位 「10年後に『消えている会社』『生き残っている会社』363社全実名」(「週刊現代」1/14・21号) 同・6位 「衆院選 全選挙区当落完全予測」(「週刊現代」1/14・21号) 同・7位 「電通社長も辞任! 残業を絶対悪にした『過労自殺』後始末の違和感」(「週刊新潮」1/12号) 同・8位 「さらば『SMAP』大晦日の叛逆」(「週刊新潮」1/12号) 同・9位 「富士山に“異常変動”が![MEGA地震予測2017年最新版]いよいよ首都圏に大地震襲来」(「週刊ポスト」1/13・20号) 同・10位 「『稲田朋美』防衛相のKYに『安倍総理』も開いた口が塞がらない!」(「週刊新潮」1/12号) 同・11位 「40年も兜町の風雲児だった『加藤あきら』死して『中江滋樹』の弔辞」(「週刊新潮」1/12号) 同・12位 「日経平均は史上最高値へ一直線!」(「週刊ポスト」1/13・20号) 同・13位 「現役政治家[&OB]74人が選んだ『歴代最高の宰相』は誰か」(「週刊ポスト」1/13・20号) 同・14位 「今年、世界を獲る 松山英樹新春ビッグインタビュー」(「週刊現代」1/14・21号) 同・15位 「ここまでわかった『長生きする性格』『早死にする性格』」(「週刊ポスト」1/13・20号) 同・16位 「日本人の知らない外国人の訪日人気スポットBEST10」(「週刊新潮」1/12号) 【巻末付録】現代とポストのSEXYグラビアの勝者はどっちだ! 原稿を書こうと思っていたら、驚いたニュースが飛び込んできた。 妻の殺人容疑で、夫で講談社編集次長の朴鐘顕容疑者(41)を逮捕したという。事件が起きたのは2016年8月9日未明ごろ。文京区千駄木の自宅で妻の首を締めて窒息死させた疑いが持たれているというのである。 最初、朴容疑者は「妻は自殺した」といっていたが、警視庁捜査一課は、遺体の状況など違う点も多かったため、殺人の可能性があるとみて捜査していたようだ。 事の真偽はまだわからないが、講談社は、彼が社の看板雑誌「週刊少年マガジン」の副編集長で人気漫画の『進撃の巨人』にも関わってきたことで、大騒ぎのようだ。 テレビ局からも私に取材があったが、私は彼のことを全く知らない。たぶんマンガをずっとやってきたのであろう。 41歳で副編集長というのは超エリートではないようだが、『進撃の巨人』に関わったとすれば、近々編集長という声もあったのではないか。 講談社にも大麻を栽培したり、裏カジノに出入りしたことで社を辞めていった者はいるが、殺人事件だとすると、私が知る限り初めてではないか。 この情報は、明日発売の週刊文春が掴んでいて、記事にしている。そうなると、発売されて事件が明るみに出るとわかって、警察が動いたということになる。文春の情報網おそるべしということになるが、同業種の暗い話だけに、OBとしてため息をつかざるを得ない。 実は、文春でこんな話がある。先週は文春がお休み(今週の水曜日発売)だと思っていたら、朝日新聞の1月4日付に文春の広告が載ったのだ。 右には大きく「紅白スクープ合戦」。左には「『医療の常識』を疑え」とある。たしか12月28日発売号は、左が「松潤の二股愛」だったが、見渡してもどこにもない。 これは新しい号かと駅の売店やコンビニを見に行ったが置いていない。木曜日発売だからと、翌日も覗いたが、あるのは年末発売の合併号だけ。 もう一度新聞広告を眺めると、「大好評発売中!」とあるではないか。なんのことはない、合併号の広告の配列を変え、松潤を落としただけだったのだ。あわてて買うところだったが、こういうところにも「売るための工夫」が文春にはある。騙しのテクニックに引っ掛かるところだった。 というわけで今年最初のスクープ大賞は文春抜きだから、残念ながらスクープと呼べるものはない。そこで順位はつけずにおいた。 まずは、新潮の訪日外国人が好む日本の人気スポットBEST10からいこう。私はこういう企画がけっこう好きである。 最初は島根県安来市にある「足立美術館」。この庭は絶景だそうだ。枯山水や白砂青松の広大な庭は、まるで絵画のようだという。ここはアメリカの日本庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」で1位に選ばれたそうだ。 次は山梨県富士吉田市の「新倉山浅間公園」。手前に五重塔、奥に富士山、春の桜の時期はこの3つを同時に撮ることができる。フェイスブックの「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」に、花径2センチほどの青い花・ネモフィラ写真が投稿されてから、外国人が殺到するようになったのが茨城県ひたちなか市の「国営ひたち海浜公園」だ。 その他にも京都市東山区の「サムライ剣舞シアター」や三重県伊賀上野の「伊賀流忍者博物館」などがあるという。「足立美術館」は行ってみたいね。 さて、長生きは悪という風潮が蔓延しているが、ポストは性格で長生きか早死にするかがわかるという。 たいして参考になりそうもないが、いくつか挙げてみよう。「陽気な人より真面目な人が長生き」「仕事人間は長生きできる」「人の悪口をよくいう人は心臓病、肺がんになりやすい」「頑固な人は認知症になりやすい」「嫉妬深い妻はボケやすい」「がん患者にはいい人が多かった」「離婚すると死亡リスクが3倍になる」。 私のように、陰気で、人の悪口ばかりいって回り、嫉妬深い人間がよくこの年まで生きたと、今さらながら思う。 昔から「憎まれっ子世に憚る」というが、当たっているかも。 テニスの錦織圭、野球の大谷翔平とともに、世界を視野に入れて活躍しているゴルフの松山英樹だが、昨年末から絶好調だ。 2017年最初の大会であるSBSトーナメント・オブ・チャンピオンズでは、最終ラウンドで1イーグル、4バーディー、3ボギーの70で回った。一時は首位と1打差まで迫り、逆転かと思わせた。 今年はメジャー大会をもぎ取るのではないかと期待される松山のインタビューが現代に載っている。その中で松山は、見たい映画もテレビも、聴きたい音楽も読みたい本もないといっている。頭の中はゴルフ一色。今年6度目の挑戦となるマスターズについては、 「マスターズまでは常に(開催コースの)オーガスタを頭に入れて練習すると思います。もちろん、他の試合あってのマスターズだけど、メジャー制覇以外の夢はいまはないですね」 ジャンボ尾崎を超える頼もしいゴルファーが出てきたものだ。 冒頭にも触れたが、文春が昨年暮れの28日発売(合併号)ということもあるが、年明けの週刊誌の船出は比較的静かである。 去年、41年ぶりに雑誌の売り上げを書籍が上回った。雑誌の売り上げは前年比7.7%減の約7,200億円。書籍は前年比1.6%減の約7,300億円だった。 文春が華々しいスクープの連続で話題を集めたが、漫画誌などの落ち込みで、これまで出版界の常識だった「雑高書低」の流れが変わってしまった。 そんな雑誌の元気のなさが、新年の週刊誌にも出ているとしたら、心配である。 ポストに「現役政治家[&OB]74人が選んだ『歴代最高の宰相』は誰か」という特集がある。順位は予想されたとおり1位が吉田茂、2位が中曽根康弘、3位が田中角栄である。 現役政治家が選んだからだろう4位に安倍首相が入っている。「戦略的外交ができる」(甘利明)。国民投票法、特定秘密法などを実現した「最強の総理」(平沢勝栄)など、歯の浮くような賛辞が並んでいる。 現存している元政治家たちだけにアンケートをすれば、安倍には一票も入らないのではないか。 ポストの巻頭は「日経平均は史上最高値へ一直線!」である。再び「ニホン・アズ・ナンバーワン」の座を取り戻すという夢のような特集である。 企業の収益率(PER)は、アメリカのマイクロソフトが約30倍、グーグルが約38倍なのに、トヨタは約14倍、ソフトバンクグループは約10倍と低く評価されている。 為替レートは1ドル=150円で釣り合う。トランプの政策は景気をさらによくさせ、五輪を控えている日本の地価はバブル期のように上昇するそうだ。 よくもまあ、これほど楽観的に考えられるものだ。先週のニューズウィーク日本版では「トランプ相場ははかない幻想だ」とタイトルを打ち、こう結んでいた。 「投資家の皆さん、暴走列車から飛び降りるタイミングにはくれぐれもご注意を」 米中関係、原油高、欧州の混乱、どれ一つをとっても日本にいい影響があるとは思えない。その答えが出るのはそう遠くはないはずだ。 さて、加藤あきらと聞いて、あああれかと思い出す人はどれだけいるだろうか。 兜町の風雲児と呼ばれ、バブル時代に名前を馳せたが、株価を不正に釣り上げたとして金融商品取引法違反の罪に問われ、昨年6月から東京地裁で公判中だったが、12月26日、都内で死亡した。享年75。 同時代に株の仕手筋で名を馳せた投資ジャ-ナルの元代表、中江滋樹が新潮で加藤のことを語っている。 ともに時代が生んだ徒花ではあるが、バブルという時代を駆け抜けた象徴的な人間として、これからも語り続けられていくのであろう。 一度だけ加藤に会ったことがある。脱税で逮捕され、保釈されて出てきたときだったと記憶している。 こちらの質問にもほとんど無言で、風雲児という面影はなかった。地産の竹井博友ら、バブル紳士たちとはずいぶんお付き合いしたが、何事もなく晩年を全うできた人は、私が知る限りいない。 二度と株バブルなど起きてほしくない。だが、そう思わない、あの時代に郷愁以上のものを抱いている人間が、また動き出しているようである。危険だと思う。 安倍首相は後世の人間が評価できるような宰相ではないと思うが、その安倍に輪をかけてどうしようもないのが稲田朋美という防衛大臣である。 よりによって安倍と真珠湾慰霊のために同行したのに、帰国してすぐに靖国神社へ参拝したのだ。 どんな理由があれ、防衛大臣という立場を考えたらできないはずだが、この女の頭の中はどうなっているのだろう。 新潮ではないが「これが総理候補とは笑わせる」。彼女は必ず安倍首相の命取りになる。 このところ私の住んでいる東京でもやたら地震が多い。いつ起きても不思議ではないとは思いながら、できることなら陽気のいいころに願いたいと思っているのだが。 毎度お馴染みのポストの「MEGA地震予測」だが、今回の「2017年最新版」では、いよいよ首都圏に大地震が襲来すると予測している。 村井俊治東大名誉教授が、「6年前の東日本大震災以降、日本列島では地表の大変動が起きている。昨年の熊本地震以降、その変動幅は拡大し、今も広がっています。そのため、今年は昨年以上に大きな地震が起こる可能性がある」と不気味な予測をしている。 中でも昨年末に4センチの「異常変動」が観測された富士山だが、この変動は無視できないという。したがって、首都圏を含む南関東を全国で唯一、最高警戒レベルの5、地震の可能性が極めて高い地域に指定して、警告を発しているそうである。 1995年の1月には阪神淡路大震災が起きている。今度起きるとすれば関東地方であろう。おのおの方、覚悟召されよ。とはいってもな……。 さて、SMAPが紅白にも出ず、引退セレモニーもなく“消えて”しまったため、ファンたちはSMAP縁の場所を巡礼して歩いているそうだ。 ここもその場所になるのだろう。キムタクを除いた4人と元メンバーだった森且行が、大みそかの午後7時頃から集合して、夜ふけまで話し明かしたという六本木の焼肉屋。 新潮は、事前にその情報を入手していたのだろう、店に入ってくる連中の写真を一人一人撮っている。この店は堺正章がプロデュースしている店だという。ネットではこの店は六本木ミッドタウンの真横にある「炭火焼肉An」だといわれている。 SMAPは今年の9月まではジャニーズ事務所との契約があるが、それ以降は、元のマネジャーと4人が組んで、仕事を始めるのではないかといわれているようだ。 どうでもいいが、もういい年なんだから、仲間内でぐずぐずいっていないで、一人一人がファンの前に出て、自分の言葉でこれまでの経緯とこれからを語るべきだと思う。 ところで、電通を揺るがせ、社長を辞任にまで追い込んだ「過労自殺」について新潮が、24歳の女性の自殺の理由はほかにもあったのではないかと、報じている。 要は、彼女のSNSに残されたメッセージから推測するに、付き合っている彼氏がいて、その男からイブの夜、彼女は別れを宣告されてしまったというのである。 過重な残業や心ない上司のパワハラ、その上に、好きだった男が離れていってしまったことが重なり、死を選んでしまったのではないかというのである。 人が死を選ぶ理由は一つだけではないのだろう。だからといって電通が彼女に課した過労労働の責任が軽くなるわけではない。 こうした悩みを持って働いている社員を、どうしたら救えるのか。取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……というような非人間的な「鬼十則」を後生大事にし、社員個々の人間性に目を向けてこなかった電通という社の体質が、ひとりの女性を追い込んでしまったことは間違いないのだから。 安倍首相は解散をしたくてウズウズしているようだ。1月解散はなくなったようだが、現代によれば、予算審議が滞るからやらないといわれているが、野党が油断している2月に「奇襲解散」がありうるそうだ。 だがこのところ、公明党の自民離れが目立ってきていることから、公明票が自民に入らず「棄権する」と仮定すると、現代の予測では「自民党は現有の291議席から22議席減の269議席に、民進党は18議席増の91議席になる」と読む。 さらに、野党共闘が実現したとすれば「自民党の総議席数が198に激減する一方、民進党は185議席まで肉迫することになる」(現代)という。 この中で小沢一郎が言っている。 「僕はいつも言っているんですけど、政権を取るのは簡単なんです(笑)。野党が一体になれば勝てる。自民党の票は全く増えていないんですから」 だが、肝心の民進党に「何が何でも政権を取るという気迫が感じられない」(小沢)。 蓮舫が、共闘よりも政策が大事だなどと“寝ぼけた”ことをいっているようでは、民進党に期待するほうが無理なのだろうが、早くしないと安倍の思うがままになってしまう。 お次は現代恒例の「10年後に生き残っている会社」。オヤ? と思うところだけをピックアップしよう。 トヨタと日産では、EV化でリードしている日産が将来性では上。電気・家電分野ではダイキン工業、日立製作所、三菱電機が上で、東芝はもちろんパナソニックもソニーも将来性で劣る。 金融総合・銀行では、三菱UFJ、みずほFG、三井住友トラスト・HDの御三家は安泰。ビール・飲料ではサントリーHDが抜きんでていて、アサヒ、キリンはその下で、サッポロにいたっては消える寸前? 放送分野は軒並み評価が低く、新聞も日経を除いては低評価。出版は入っていないが、講談社も小学館も10年後はわからないということだろう。 同じ現代の巻頭特集。「100年生きるのは幸せか」と、ポストとは違って悲観論満載である。 17年からは65歳から74歳の前期高齢者と75歳以上の後期高齢者の数が逆転するといわれている。病人を選別して、治る見込みのない老人は病院に来ないでくださいと、追い返されるようになる。これからは60代は「若者」と扱われ、社会の中心に立ってバリバリ働く世の中になる。60代ははなたれ小僧なのだ。 それもこれも、普通のサラリーマンが定年後100歳まで生きようとしたら、総計で1億1,872万円いる。これは生活費だけで、自宅のリフォームや医療、介護費、趣味などに使うとすれば、さらに2,000~3,000万円はかかるというのである。 平均的なサラリーマン世帯の年金収入が月額22万円だとすると、100歳までの年金収入は約9,500万円だそうだから、5,000万円も不足することになるそうだ。 そうならないためにどうするか? 「生活コストを下げても幸福に暮らす工夫をすべきです。たとえば外食の回数が減っても、料理を作る喜びがあれば、不幸ではない」(政策研究大学院大学名誉教授の松谷明彦) 昨夜、鍋にしようと思いスーパーへ行ったら、たった4分の1の白菜が150円もしていた。ホウレンソウ、ニラ、大根など野菜が高くて、鍋が成り立たないのだ。 外食などもってのほか、家でつつましく鍋でも突こうと思ってもままならないのである。 今の日本は長生きしようと思わせない社会になってしまった。せめて自分が死にたいときに死ぬことができる「安楽死」の制度を早くつくってほしいと、切に思う。 AERAは久々の登場だが、安倍首相の支持団体として名高い「日本会議」について、その中心メンバーの多くの出身母体である「生長の家」の谷口雅宣総裁がインタビューに答えている。 「日本会議」の中枢メンバーは「生長の家」の谷口雅春初代総裁の熱烈な信者だといわれている。 だが雅宣総裁はこう断言している。 「戦後の冷戦下に雅春先生が唱えられたことを、世界構造が変わった現代で実践しても、何の実効性もありません」 元メンバーは「生長の家」の中に「生長の家政治連盟」をつくり、右派学生たちを集めて全共闘と対抗したり、政治活動をしていたが、2代目の谷口清超総裁が、宗教運動が政治運動によって阻害されているとして、これを活動停止にした。 現在の「生長の家」は、原発を推進し経済発展至上主義の安倍首相の政治姿勢に反対し、「日本会議」の元信者たちに対しても、「時代錯誤的」「狭隘なイデオロギーに陥っている」と断罪し、そのことを声明として発表したのである。 宗教的な信念と政治を選ばなければならないとき、政治的な現実を選んではいけないという。政治家はあくまで政治家の価値判断で生きるため、何度も裏切られたからだというのだ。 「だから、今の創価学会と政治の距離感を見ていると危ういと思います。完全に政治にのみ込まれてしまっている。実は声明を発表したら、創価学会の人から感謝されたんですよ(笑)。本当は創価学会もスタンスをきちんと表明すべきだと」 声明を発表したら、信者の1割ぐらいが離れていったそうだ。 「信仰とは生き方です。信仰はあるが生き方は違うというのでは、信仰は続きません」 こうした人間が創価学会にはいない。だが、少しずつ流れが変わってきたのは確かだろう。 ところで1月10日のasahi.comにこんな記事が載った。 「天皇陛下が在位30年を節目として譲位を希望されていることを受け、政府は、平成31(2019)年1月1日(元日)に皇太子さまの天皇即位に伴う儀式を行い、同日から新元号とする方向で検討に入った。国民生活への影響を最小限とするには元日の譲位が望ましいと判断した。譲位に伴う関連法案は、有識者会議の報告と衆参両院の論議を踏まえ、5月上旬にも国会に提出する見通し。譲位は『一代限り』として皇室典範改正は最小限にとどめる方向で検討を進める」 こうしたやり方が、天皇が望んでいる「退位の制度化」や「皇室典範についての議論」とほど遠いことは間違いない。 現代によれば、もともと15年秋の時点で天皇が安部側に生前退位の意向を伝え、その後、時間をかけて内容を摺り合わせてきたのに、「お言葉」を発した直後に「憲法違反」などという話が出るのは、ハシゴ外しではないかというのだ。 そこで、昨年暮れの誕生日会見で「内閣とも相談し」という文言を入れ、そうした話は終わっているはずだ、私の意向を反映させろと釘を刺したのだと見る向きもある。 なぜ安倍首相が皇室典範の議論をしないのか。それは、反対議員が出てきて党内が混乱するから、面倒くさいのだそうだ。呆れた話である。天皇と安倍の確執はまだまだ続きそうである。 新潮の巻頭特集は「日本が頭を抱える4つの最悪シナリオ2017」。20日に大統領に就任するトランプが、世界を揺るがす暴れん坊になるのか、現実的な対応をとって世界各国は胸をなで下ろすことになるのか、「トランプ占い」を最初にもってきている。 とりわけ選挙中から毒舌を吐いてきた米中関係が注目される。12月始めに台湾の蔡総統と電話会談したことで、「一つの中国」に固執する習近平は怒り心頭だからだ。 だが、京大名誉教授の中西輝政は、同じ頃トランプが師と仰いでいるキッシンジャーが習と会っていることに注目すべきだという。 中西は、ニクソンもレーガンも大統領に就任したら対中宥和路線に転換している。共和党政権で繰り返されてきたことだから、安倍首相が、「『米国の後ろ盾があるのだから』と、対中強硬の前のめり姿勢を取ってしまうと、トランプに梯子を外され、日本が孤立する恐れがある」と警告する。 次に小池都知事が今夏の都議選に小池新党を立ち上げるとぶち上げたが、20議席ぐらい獲得する可能性があり、小池に擦り寄る公明党、民進党、小池シンパの党を加えると「過半数の64議席を超える可能性は非常に高い」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫)そうだ。 だがそうなると、大風呂敷を広げることはできても畳むことができない小池に、移転を延ばされた築地の仲卸業者がゴネて、豊洲市場の使用料の値下げを要求することもあり得るという。 これまでは都議会自民党が間に入っていたが、これからはそうはいかない。結果、補助金という都民の税金がムダに投入されることになりかねないというのだ。 確かに「口だけ番長」の小池に、都民の目も厳しくなってきてはいる。だが、今のような自民党のボスたちが勝手気ままなことをやり、都政を蹂躙してきたことに対する都民の怒りは大きいから、このままいけば自民党は惨敗するに違いない。 小池の真価は、その後どうするかで決まるはずである。もう少し見極める必要があると思う。 小池に関しては、ニューズウィーク日本版(1/3・10号)が興味深いレポートをやっていたので紹介しておこう。 トルコでは年末から年始にかけてテロが頻発しているが、中でも、12月19日に起きた警官によるロシアのトルコ大使射殺事件は世界に大きな衝撃を与えた。この容疑者は現場で射殺されたが、エルドアン大統領はこの容疑者を「フェトフッラー(フェト)」というテロ組織の人間だと断言した。 この組織と日本の元小泉総理の秘書で現在は内閣官房参与の飯島勲、小池が親しいというのである。 詳しくはニューズを読んでほしいが、かいつまんでいうとこうなる。フェトはイスラム教指導者ギュレン師を信奉し、「ギュレン運動」と呼ばれる大きな影響力を持つ組織のことである。 エルドアンとギュレンとの確執の始まりは16年の7月に起こったクーデター未遂事件だった。この事件の背後に尊師と崇められるギュレンがいると見たエルドアンは、徹底的な粛正を続けている。 現在、ギュレンは病気療養を理由にアメリカで暮らしているが、潤沢な資金を背景にクリントン夫妻に取り入り、16年の大統領選ではクリントン陣営に200万ドル近くの献金がわたっているという。 徹底的な秘密主義を貫く秘密結社のようなギュレンの組織は現在、「世界約170カ国に約3000の団体を持ち、国や地域ごとに『イマーム』と呼ばれる指導者が置かれている」(ニューズ)。 この組織は活動の中核を教育に置くが、ギュレン系の学校が13年に日本の横浜でも開校している。「学校法人ホライゾン学園」がそれだというのだ。 そして16年には仙台で小学校も開校したそうだ。仙台校は日本の義務教育の卒業資格が与えられる「1条校」で、インターナショナルスクールのように教科を英語で教えることから、授業料が高額にもかかわらず大変人気が高いという。第2外国語はトルコ語。 この学園の設立課程に違法性はないが、ギュレンの目的の一つは「学校を通して洗脳できる生徒の選抜」だそうだ。 だが、この学園はギュレン運動とは関係を持っていないとして、こうした出自は明示していない。 この組織は日本ではトルコの食品商社「バハール社」が営利事業を行い、歴代のトルコ大使もこの活動を支え、日本の政治家に浸透してきた。そのひとりが飯島だというのである。 先を急ごう。この組織が宣伝活動を日本で行うのが「NPO日本トルコ文化交流会(日ト会)」で、ギュレン運動関係者の誰もが名前を挙げるのが小池だそうだ。 同会のパンフに推薦文を寄せ、イベントにも何度も姿を現している。先の仙台校の説明会の日に、同校で教育講演会をやっている。 トルコにある「ハタイさくら小学校」は、シリアの難民の子どもたちに教育を施そうと小池が議員連盟を作り、寄付を募って開校した。ネット募金で約2,500万円が集まったという。 だが、この学校はクーデター未遂後に一時閉鎖になり、小池が知事就任後には別のNGOが運営するようになった。 ギュレン運動の実態はこれからもっと解明される必要があるが、「なかでも将来の首相候補といわれる小池については、公私にわたりさまざまな報道がなされながら、その『外国人脈』の内実についてはほとんど光が当てられてこなかったのではないだろうか」(ニューズ)。 小池がカイロ大学を優秀な成績で出たことは間違いない。その時代に培った人脈は今どうなっているのだろうか。見えている小池は彼女の半分でしかない。陰になっている後の半分を解明することも、ジャ-ナリズムの仕事であるはずだ。 【巻末付録】 現代からいこう。巻頭は「新春スペシャル 週刊現代が撮った女優たち」。米倉涼子、藤原紀香、内田有紀などなど。後半は「無法痴態 新宿・歌舞伎町」。やはり歌舞伎町は年末年始も夜も昼もないということが、これを見るとよくわかる。これだけのシーンを写真ではなく動画で撮っていたら、デジタルでお客を呼べるのにと思う。 さらに「独占撮り下ろし 高岡早紀 ゴージャス・バディ」。40代半ばのはずだが、なかなかのセクシー・バディだ。 お次は「寿新春! 一挙公開 大女優たちの『愛蔵写真』」。いつもながら関根恵子の裸身はいい。「ミス・ユニバース準決勝進出 平塚千瑛」。袋とじは「私たちの『陰唇線』見てください」。女性の外性器には小陰唇と、その周囲に存在する大陰唇があるそうだが、女体によって千差万別なのだそうである。 そこで現代が、「女性器の外側をギリギリ走る陰唇線」の撮影に成功したというのだが、なんだかよくわからん。見たい人は買ってしげしげと眺めてください。 ポストの巻頭は「美しき瞬間を刻んだ永遠のミューズ 秋吉久美子」。彼女ももう還暦をすぎたか。そう思って、若い頃のヌードを眺めると感慨深いものがある。この可愛さは関根恵子に匹敵するな。 お次は「由美かおる」、袋とじつき。彼女の年齢を感じさせないプロポーションには頭が下がる。よほどストイックに生きないとこうはならないはずだ。プロポーション遺産にでも登録したら。 後半は「芸能生活30周年。女優人生を賭けて挑んだ初の完全ヘアヌード 杉浦幸 決意」。年相応の膨らみがいやらしさを増すのだろう。なかなか頑張っているヘアヌードではある。 次は「昭和女優16人新春ヌード詣で」。ひし美ゆり子、横須賀昌美、田中真理など。 袋とじは「未公開 白石ひとみ ラストヌード」。懐かしいね。彼女はAVらしからぬ「小悪魔的」な表情がたまらないんだ。彼女ももう40代半ばか。このヌードは現在のものだろうか。そうではないとは思うが、じっくり見ていたいヌードである。 というわけで、今週は白石ひとみの可愛い表情がたまらない、ポストの勝ちだ。 (文=元木昌彦)「週刊新潮」(1/12号、新潮社)
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“文春砲”連発でも……ついに崩れた出版界の常識「雑高書低」 新年号も週刊誌に元気ナシ!?
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