2015年、韓国芸能界ではさまざまなスキャンダルが勃発した。 例えば、芸能人たちの詐欺行為だ。格闘家兼タレントとして日本でも有名なチェ・ホンマンが知人から借りた金を返さず、ソウル地検の出頭命令にも応じなかったため指名手配されたことは以前、当コラムで紹介したが(参照記事)、詐欺行為を働いた芸能人はホンマンだけではなかった。お笑いタレントのイ・ヒョクジェが知人から借りた2億ウォン(約2,000万円)を返さなかったとして詐欺容疑で告訴されているし、1990年代に一世を風靡した人気グループ、ソテジワアイドゥルのメンバーだったイ・ジュノが知人2名から借りた約1億6,500万ウォン(約1,600万円)を返さず、詐欺容疑で不拘束起訴された。 暴力沙汰もあった。日本ではDJ OZUMAがカバーしたヒット曲「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」「One Night」でも知られる人気グループDJ DOCのキム・チャンリョルは、所属事務所の後輩グループWonder Boyzの元メンバーから告訴されている。告訴状によると、元メンバーはチャンリョルから数度にわたって暴言や暴力を振るわれた挙げ句、銀行通帳とキャッシュカードも奪われ、月給約3,000万ウォン(約300万円)を横取りされたという。チャンリョル側は「事実無根だ」として12月23日に元メンバーらを名誉毀損などで逆告訴しているが、イメージ失墜は免れないだろう。 映画『友へ チング』やドラマ『マイ・ボス マイ・ヒーロー』で個性的な役を演じていた俳優のチョン・ウンテクも、代行運転業者の運転手と口論になってケンカ沙汰を起こし、相手に全治2週間のケガを負わせる事件を起こした。日本でもかつて前園真聖が酒気帯びでタクシー運転手に暴行を働き謹慎したことがあるが、韓国でも飲酒でトラブルを起こす芸能人がいるわけだ。 何よりも多かったのは、所属事務所とのトラブルがドロ沼化することだ。 例えば、歌手クララは専属契約無効が受理されず、「度重なるセクハラを受けた」として所属事務所の会長を提訴。スマートフォンに記録されたショートメールなどを公開した。これに対し、事務所側は「むしろクララが脅迫している」として逆告訴。両者は9月にそれぞれの訴訟を取り下げて紛争に終止符を打ったが、専属契約を満了したクララはその後、中国に活動の舞台を移すようになった。 このクララ以上に人気失墜となったのが、女優シン・ウンギョンだ。ウンギョンといえば、映画『花嫁はギャングスター』でヒロインを務め、日本でも主婦層から人気を呼んだドラマ『欲望の炎』や『欲望の仮面』、最近では『家族の秘密』などの主演で“韓ドラ愛憎劇の女王”とも呼ばれていたが、今秋に所属事務所を移籍したことでスキャンダルが勃発。当初は「出演料が支払われない」としたウンギョン側に同情する声も多かったが、前事務所側が個人的な債務10億ウォン(約1億円)を肩代わりしているにもかかわらず彼女が返さないこと、事務所の金を使って超豪華海外旅行をしていたこと、デパートでブランド服を爆買いして代金を踏み倒したことなどを暴露。さらに「数年前に出演したトーク番組で『水頭症と巨人症を患っている息子を育てているシングルマザーだ』と語ったこともウソだった」と彼女自身が明かしたことで、事態は急変。彼女の元夫、元恋人、元姑、さらにはデパート関係者までが次々とウンギョンの偽善ぶりを暴露し、障害を持つ息子を放置した“偽りの女”として世論から猛烈なバッシングを受けている。一部では、女優として再起不能だといわれているほどだ。 このように、詐欺・暴力沙汰・金銭トラブルに暴露合戦と、2015年もスキャンダルが絶えなかった韓国エンタテインメント界。来年は、日本でも人気を誇るアイドルやスターたちが、新たな醜聞に見舞われるかもしれない!?シン・ウンギョン主演『家族の秘密』(NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)
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詐欺、暴力沙汰に、ドロ沼事務所トラブル……韓国芸能界2015年スキャンダル総まとめ
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