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幼稚園の近くにあるマッサージ店。「足浴」というのは、足裏マッサージに似たサービス
店舗型ビジネスを行う上で、まず立地が重要であることは、誰も異論を挟まないだろう。
中国の古都・西安に近い咸陽市では、幼稚園の近くに性的サービスを提供するマッサージ店が多数出店。多くの父兄が誘惑され……いや、困惑していると、地元のテレビ局・陜西広播電視台のニュース番組『都市快報』が伝えている。
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道端で客を待つ、マッサージ嬢(写真左)
映像では、幼稚園のある通りで客引きをしている女が、子どもを迎えに来たと思われるバイクに乗った男性を呼び止め、話しかけている姿が捉えられている。
この幼稚園に通う園児の親たちは、インタビューに「子どもを幼稚園に迎えに行くと、こちらが子連れなのに声をかけてくるから困る」「幼稚園のすぐそばこんな店があるなんて、子どもの教育によくない」と、不満を述べている。
ところが、地元紙の記者が覆面取材でこれらのマッサージ店に潜入したところによると、マッサージ嬢からは驚くべき話が出てきたという。
マッサージ嬢「男親の客はすごく多いよ。ここでヤッてから、子どもを迎えに行くのよ」
記者「まさか!?」
マッサージ嬢「すっごく多いよ」
記者「子どもの教育に、よくないんじゃない?」
マッサージ嬢「ここに子どもは連れてこないから、問題ないでしょ」
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幼稚園の門に書かれた「安心」の文字が、どこか虚しく感じられる……
実際は困惑するどころか、やはり誘惑に負けてしまっているお父さんもいるようで、この風俗店の立地は合理的といえるのかもしれない。
日本の都市計画法などでは、教育機関の近くでラブホテルや風俗店を開業することを禁じている。しかし、中国ではそんなことはお構いなしだ。
中国の性風俗事情に詳しい上海在住のフリーライターは、こう説明する。
「中国では、普通の住宅街や商店街の真ん中に、この手のマッサージ店があったりします。田舎町だけでなく、上海の庶民的な住宅街にさえある。店は透明のガラス戸になっていて、中に数名の女たちが座っているのが見えるから、すぐわかる。中でどんなサービスが行われているか、近所の人は誰でも知ってます。それでも摘発されないのは、地元の警察と、なんらかのつながりを持っているからだと思われます」
フリーライター氏の言葉通り、このニュース番組の翌日にこれらマッサージ店が地元の警察による手入れを受けたものの、さらにその翌日には、元通り路上で客引きをする女たちの姿が目撃されたと、地元紙が伝えている。
(取材・文=佐久間賢三)