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冬場は極寒の地となる吉林省長春市で、湖に浮かぶ氷の間を泳ぐ市民
本格的な冬を迎え、日中も気温が氷点下になる中国北部。この地域では、真冬でも屋外で水泳をする物好き、いや、寒中水泳の愛好者が中高年の間に意外に多い。
見ているほうが思わず身震いしてしまうほどだが、山東省の省都・済南市では、奇抜な格好で泳ぐおばちゃんが目撃されて話題になっている。なんと、フェイスキニをかぶって泳いでいるのだ。
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済南市に登場したフェイスキニおばちゃん
フェイスキニとは、今年の夏にも当サイトでご紹介したが(
「まるでスケキヨ!? 中国“覆面マスク”おばちゃん、今年もビーチに参上!」)、真夏のビーチで日焼けを防ぐためにかぶるフェイスマスクのこと。フェイスとビキニを掛け合わせて「フェイスキニ」と呼ばれるようになった。すでにこちらはすっかりおなじみで、中国の“夏の風物詩”ともなっている。
そのフェイスキニをかぶったおばちゃんが、寒中水泳でも現れたわけだが、日焼けなどしようもない冬の水泳で、なぜフェイスキニが必要なのだろうか。顔が寒いから? それとも、ファッション?
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夏のビーチに現れるフェイスキニおばちゃんたち。色やデザインもさまざま
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飛び込む際に誤って水面で腹を打ったりしたら、水が冷たいだけにかなり痛そうだ
実は済南市では、このような泉(湧き水らしい)で泳ぐことを条例で禁止しているのだが、それを無視して泳ぐ者が後を絶たないのだという。中にはここをお風呂代わりに使う者もいるらしいが、この近辺にあるレストランがここにこっそりと汚水を垂れ流しており、泉とはいえ、水はかなり汚いらしい。
そうなると、もしかしたらフェイスキニのおばちゃんたちは、汚水から顔のお肌を守るためにかぶっているのかもしれない。まあいずれにしても、寒いなか汚い泉で水泳をするなど、本当に物好きなものである。
(文=佐久間賢三)