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被害に遭った男子児童の背中。痛々しい傷が、こんなにも……
現在、日本の教育現場において体罰は激減しているが、中国ではまだまだ横行しているようだ。このほど、江蘇省にある小学校で痛々しい体罰事件が報じられたが、体罰を加えていた教師の驚きの“言い訳”も注目された。「揚子晩報」(11月9日付)などが伝えた。
江蘇省連雲港市に通う小学3年生の男子児童(8歳)は学校で度重なる体罰を受け、睡眠中に寝言で「先生、叩かないで」と絶叫したり、悪夢で失禁する日々を送っていたという。その理由は、女性教師による尋常ならざす体罰方法だ。ある日、この女性教師はクラスの全員の前で、男子児童の背中を木製の指示棒で30回以上、力いっぱい突き始めたのだ。中国版Twitter「微博」に男子児童の親が投稿した画像によると、背中には点状の青たんが無数にできている。
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上半身裸にし、掃除具で叩く教師(参考画像)
母親によると週に4~5回はこのような体罰を受けているといい、そのせいで男子児童は不登校となり、食欲もなくなって自宅で糞尿を漏らすようになったという。ほかにも同様の体罰を受け、精神状態が不安定になった児童が数名いるという。驚くことに、女性教師は母親たちの追及に対し、体罰を認めた上で「体に悪影響はない。むしろ免疫力を高める」と、開き直ったというのだ。
現地の教育機関はこの女性教師に対し、調査を開始したというが、一部の保護者は体罰を肯定しており、賛否両論が巻き起こっているとか。中国の体罰事情について、北京市在住の日本人大学講師はこう説明する。
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小学生に土下座させる教師。こうした体罰も横行している(参考画像)
「地方都市や田舎に行けば、親は子どもに対して虐待に近い“しつけ”をしていますし、共同体全体で体罰が肯定されているので、学校内でも当然、教師は躊躇なく体罰を与える。都市部でも、出稼ぎ労働者の子息のための民間学校のようなものがあって、そこでは教師のレベルが低いこともあり、体罰がまかり通っている。個人的な印象ですが、体罰をするのは男性教師より女性教師が多いですね。それも、中年前後の先生が多い。『自我が芽生える前の子どもは、動物と同じ』という古い考えを持つおばさんが多いんでしょう」
近年はスマホの普及で、児童自身が撮影したり、親がSNSにアップして発覚するケースも多い。前時代的な体罰がこの国からなくなる日は、来るのだろうか?
(取材・文=棟方笙子)