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Channel: 日刊サイゾー
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「またお前らか……」硬貨600万個を溶かして約2,000万円GET! 韓国10ウォン硬貨をめぐるカラクリ

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 韓国の通貨であるウォンの価値は、11月5日時点で約0.10円。つまり、10ウォンの価値がだいたい1円くらいだ。硬貨で最大の500ウォンでも50円ほどであるため、韓国で使われるのは、基本的に紙幣がメインとなる。中には「最後に10ウォン硬貨を使ったのがいつか思い出せない」と話す人までいる。  3日、それほど存在感の薄い10ウォン硬貨をめぐる驚きの事件が発覚した。硬貨を溶かし、銅を抽出して、2億ウォン(約2,000万円)近い利益を得た8人が、韓国銀行法違反容疑で立件されたのだ。  犯罪のもととなった10ウォン硬貨だが、実は1966年の誕生から、83年と06年の2回にわたって、素材が一新されている。今回ターゲットになったのは、83年製造の10ウォン硬貨だ。  “2代目10ウォン硬貨”は、直径22.86ミリ、重さ4.06グラム。その成分は銅が65%、亜鉛が35%と、銅の比率が非常に高い。通貨としての価値は10ウォンなのだが、溶かして銅を抽出した場合、10ウォン硬貨1枚で25ウォン分の価値がある。  そこに目をつけたのが、融解工場を営むイ容疑者(57歳)だ。彼は仲間を集め、今年5~10月にかけて、2代目10ウォン硬貨を600万個(総重量24トン)集めたのだ。  逮捕につながった経緯は、実に間抜けなものだ。なんと、イ容疑者とその仲間たちは、3代目10ウォン硬貨を袋に詰め込み、2代目10ウォン硬貨に換える作業を全国の銀行で行っていたのだ。そんな怪しい客がマークされないわけがない。そんなことに気がつかないイ容疑者たちは、間もなく御用となった。なんとも情けない話だ。  一方、報道を聞きつけた韓国ネット民の反応は意外なものだった。 「この事件、何回起きてるんだよ。刑罰が甘いから、こうなるんだ」  そう、実はこの2代目10ウォン硬貨から銅を抽出するという事件は、昔から何度も起きていて、中には5億ウォン分の10ウォン硬貨を溶かして、12億ウォンを荒稼ぎした者もいた。  さらに、驚くことに、今回逮捕されたイ容疑者は昨年、同様の事件を起こして逮捕されていたのだ。韓国銀行法では鋳造した硬貨に意図的に傷をつけた場合、6カ月以下の懲役、または500万ウォン以下の罰金が科される。前回の事件でイ容疑者に下された判決は、懲役4カ月と、かなり甘いものだった。捕まっても大した罪にならないと実証した上での再犯なのは明らかだ。  ネット民たちは、それほどありふれた犯罪でありながら、根本的な対策がなされない現状と、量刑のヌルさに怒りを抱いているのだ。    実際、韓国銀行の発表によると、今年1~9月の間に流通した2代目10ウォン硬貨は合計16億ウォン分あるが、そのうち銀行に戻ってきた額は1億ウォン(約1,000万円)分にも届かない。当然、誰かの財布の中で眠っているということも考えられるが、15億ウォン分もの10ウォン硬貨の所在が不明なことから、同様の事件に対する警戒が必要だ。韓国内では、多発する“10ウォン硬貨融解事件”に対して、10ウォン硬貨自体を廃止すべきだという声も大きい。  10ウォン硬貨が誕生した当時、10ウォンもあれば、おなかいっぱいのパンを買うこともできた。しかし、今では10ウォン硬貨には飴玉1つを買う価値もない。誕生から来年で50年になるが、その存在感は希薄になるばかりだ。

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