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イガグリ頭の学生たちから熱い視線を集める、美人英語教師。“制服姿がタマらない”という人も多いのでは
このところ、河南省にある警察学校の英語教師に就任した女性が、ネット民たちから「美しすぎる」と、熱い視線を浴びている。
きっかけは、同校の学生が撮ったものと思われる彼女の複数の写真がネット上にアップされたことだ。
いかついイメージのある警察学校に、女神のように降臨した美しすぎる英語教師。ネット上では、
「うー残念! もう卒業しちまった。同僚を集めて、また英語の授業を受けにいくか」
「オレ、警察官になる!」
「オレは頭悪いから、校門の外で出待ちする」
「やっぱコスプレなんかより、本物の制服美女のほうがいいなあ」
と、男たちの鼻息荒いコメントが寄せられている。
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先生を取り囲む学生たち。私服姿もまた格別?
地元河南省の新聞記者が取材したところによると、この美女は捜査科の英語教師で、今年この学校に就任したばかりだという。彼女が電話でのインタビューに答えたところによると、写真を撮られたことにはまったく気づかず、この騒ぎのことも知ったばかり。「明日の授業では、学生たちにもっと授業に集中するように言わなくちゃ」と語っていたという。
写真のおかげで、この警察学校には今後、入学志望者が殺到するものと思われるが、その一方で気になるのが次の数字。北京の日刊紙、京華時報が今年4月6日付で報じたところによると、2010年から昨年までの5年間で、勤務中に死傷した警察官の数は2万2,870人、そのうち殉職した警察官の数は2,129人もいるというのだ。平均すると1年に約426人、つまり、1日に1人以上の警察官が殉職していることになるのだ。
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写真を撮られていることに気づいて、恥ずかしがっているようだ
日本における警察官の殉職者数は公にされていないようだが、推測では年間10人以下だといわれている。警察官の総数が両国ではかなり開きがあるだろうから単純に比較することはできないが、それでも、日本に比べて中国のほうが警察官の任務はずっと危険といえそうだ。
そんななか話題となった美人教師だが、その裏には当局による思惑も見え隠れする。
中国在住フリーライターの吉井透氏は話す。
「現政権下での反腐敗運動により、警察官は袖の下を得ることができなくなった。さらに、警察不信も高まっており、嫌われ者で危険が伴う警察官にわざわざなろうと思う人は少ない。そのため、中国の公安では人員確保が火急の課題となっている。当局は、彼女のような美人教師を宣伝に使うことで、イメージアップを図ろうとしているのかもしれない」
しかし、美女につられて警察官を志すような者たちに、治安が守れるのかどうかは謎である……。
(文=佐久間賢三)