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「こんなモノいらない!?」“予算2,500億円”新国立競技場キテレツデザインの迷走っぷり

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「週刊新潮」6/18号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位 「奇矯『女性建築家』の奇天烈『新国立競技場』にGOサインを出した『安藤忠雄』の罪」(「週刊新潮」6/18号) 第2位 「2カ月で37万円『ライザップ』の客とスタッフが危ない!」(「週刊新潮」6/18号) 第3位 「『漏れた年金125万件』責任者は腹を切れ!」(「週刊文春」6/18号) 第4位 「自転車事故で賠償金9500万円」(「週刊現代」6/27号) 第5位 「世界最大のヘッジファンド・マネジャーが顧客だけに配った『経済レポート』の中身」(「週刊現代」6/27号) 第6位 「アベノ円安で日本人はなんと! 700兆円も損していた」(「週刊ポスト」6/26号) 第7位 「残業代ゼロ法で300万人が過労死する」(「週刊朝日」6/26号) 第8位 「棺桶に片足を入れた『安保法制』は蘇生できるか?」(「週刊新潮」6/18号) 第9位 「『タマネギ健康法』にダマされるな!」(「週刊文春」6/18号) 第10位 「あの酒鬼薔薇聖斗はここで生きている」(「週刊現代」6/27号) 第11位 「柏木由紀“浴衣抱擁写真”ショック」(「週刊文春」6/18号) 番外 現代とポストのセックス記事の勝者はどっちだ!  今週はポストが不作だ。見るべき記事がほとんどない。後はそこそこだが、蒸し暑さを吹っ飛ばすほどのスクープは残念ながら見当たらない。  まずは、現代とポストのセックス記事から見てみよう。現代は「『性の大技』に挑戦! あわやの大惨事に」、ポストは女性のQOS(クオリティ・オブ・セックス)探究心がもたらしたSEXイノベーション最前線」  現代によれば、ラブホテルのブランコを使って彼女にフェラをしてもらっていた男が、揺らしすぎたのだろう、彼女の鼻にアソコが大激突して、大けがをしたそうだ。  ヤカンの取っ手を紐で結び、男性器に取り付けて持ち上げる「鍛錬」をやっていた男が、男性器がポキッと折れるイタ~い事故にあったという。  30代のあるカップルは、室内でのSMプレイに飽きたため、戸外に出て小さな滝のある場所で全裸にした彼女を紐で縛り上げ、滝壺が覗けるように吊り下げようと考えたが、吊していた枝が折れて、彼女は両手両足を拘束されたまま滝壺の中にドボン。  男のアソコを骨折する事故が意外に多いという。ばかばかしいが、つい読んでしまった。  ポストは「女性用バイアグラ」といわれている「フリバンセリン」という新薬が米食品医療薬品局で承認されて、米国で販売されることになったと報じている。  もともとこれは「抗うつ薬」として開発されたのだが、そちらへの有効性は示せなかった。しかし副作用で「性欲求の上昇」が確認されたため、そちらへ切り替えたそうだ。  副作用などがあるので、日本での販売は時間がかかるそうだ。  もうひとつは、女性のクリトリスに吸い付く、ドイツ生まれの女性用バイブレーターのお話。価格は1万9,800円だそうだ。こうしたアダルトグッズが次々に出てくると、ますますコミュニケーションが面倒な男や女が増えてきて、少子化に歯止めがかからなくなるのではないか。  グラビアは両誌ともに特筆するものはない。今週は現代、ポストに「企画疲れ」が見えるため、引き分けとする。  ところでAKB48の総選挙が終わり、指原莉乃(22)が2年ぶりに女王に返り咲いたそうだが、指原と首位を争ったのが柏木由紀(23)だった。  文春は以前、彼女がJリーガーやAV女優と合コンをしていたと報じたが、今週はジャニーズグループ「NEWS」の手越祐也(27)との親密写真を2枚グラビアページに掲載している。  1枚は苗場のスキー場で撮られたものだそうで、2人がスノーボードブランドに身を包んでポーズをとっている。文春は「背後には乱れたベッドが」と書いているが、私にはよくわからない。もう1枚は箱根の高級旅館だという。全室に露天風呂がついている部屋で、浴衣姿の2人。手越が柏木に腕を回している。どちらも「恋人同士」といわれれば、そう見えないこともない表情である。  もはやAKB48のスキャンダルは食傷気味だ。ところで以前文春が報じた、AKB48の事務所にいた人間が、彼女たちを隠し撮りしていた「事件」は、その後どうなったのだろう? 着替え姿やトイレの盗撮写真もあったという、超ド級のスキャンダルだった。ぜひ、あの事件のその後を報じてほしいと思うのだが。  さて、97年の2月から5月にかけて世を震撼させた酒鬼薔薇聖斗事件を覚えておいでだろうか。当時14歳だった少年Aが、山下彩花さん(当時10歳)と土師(はせ)淳君(当時11歳)をむごく殺害した神戸連続児童殺傷事件だ。  あの事件から18年という月日がたち、長い沈黙を破っていたAが太田出版から『絶歌』を6月11日に発表して大きな波紋を広げている。出版元である太田出版で編集を担当した落合美砂氏によれば、出版の話は元少年のほうから持ち込まれたという。こんなことが書かれている。 「僕は知らず知らずのうちに、死を間近に感じないと性的に興奮できない身体になっていた」 「次から次に近所の野良猫を捕まえては様々な方法で殺害していったが、中学に上がる頃には猫殺しに飽き、次第に、『自分と同じ“人間”を壊してみたい。その時にどんな感触がするのかこの手で確かめたい』という思いに囚われ、寝ても覚めても、もうそのことしか考えられなくなった」  巻末には「被害者の家族の皆様へ」と題された、謝罪と反省の言葉が収められている。 「自分の過去と対峙し、切り結び、それを書くことが、僕に残された唯一の自己救済であり、たったひとつの『生きる道』でした。 僕にはこの本を書く以外に、もう自分の生を掴み取る手段がありませんでした。本を書けば、皆様をさらに傷つけ苦しめることになってしまう。それをわかっていながら、どうしても、どうしても書かずにはいられませんでした。あまりにも身勝手すぎると思います。本当に申し訳ありません」  A自らが書き、タイトルも付けたという。読んでいないので内容はわからないが、現代に載ったところを読んだだけでも、身勝手で今に至っても被害者のことを真剣に考えていないのではないかと思わざるを得ない。  被害者の親たちが憤り本の回収を求める気持ちはよくわかる。  また、この手の本を出して話題づくりをしようという出版社の「心根」も、私は好きではない。だが、こうした人間の身勝手な言い分があることを、世に知らせることを否定はしない。  したがって、啓文堂書店を運営する京王書籍販売(東京・多摩市)などが、遺族の心情を考慮してこの本を取り扱わないとしたのは理解できない。書店は、裁判所が発売禁止にしたり、出版社が回収するといった書籍以外は置くべきであること、言うまでもない。読みたい読者がいる限り、書店が勝手に判断して読者の手に渡らないようにすることは、絶対やってはいけないのだ。  そういうことを私に言ったのは、酒鬼薔薇聖斗の顔写真を載せた「FOCUS」(新潮社)が批判され、多くの書店が「FOCUS」を置かなかったとき、書店は読者のニーズに応えるためにあると「FOCUS」を置き続けたジュンク堂書店の社長だった。  今回はその丸善ジュンク堂書店でも、この本は取り扱っていないそうだ。丸善と一緒になり、大日本印刷の傘下に入ったことで、ポリシーが変わってしまったのだろうか? 多様な言論が民主主義を担保する。多様な言論を踏みにじるこうしたやり方に対して、新聞やテレビは物言わなくてはいけないのに、どこからもそうした意見が出てこないのは、どうしたことなのか。  世は健康ブームを越えて積極的健康主義とでもいえるようなヒステリック状態にあるように、私には見える。  少し前に「デブは出世できない」という風潮があった。自分の体重さえも管理できないヤツに仕事ができるわけはない、というような理由からだったと思うが、今は多少太っているほうが長生きするといわれるそうである。  古くはサルノコシカケ、紅茶キノコなどがはやったが、あっという間に消えた。今週も文春が、健康雑誌で特集を組んでいる「酢タマネギ健康法」ブームへクレームをつけている。  これを提唱しているのは、埼玉県にある南越谷健身会クリニックの周東寛院長という人物。酢タマネギがいいのは、それに含まれている硫化アリルとケルセチン、それに酢に含まれる酢酸が、血圧から血糖値改善、ダイエットから白内障、認知症にまで効果があるというのである。  それに対して専門の医者たちは、ケルセチンには糖や脂質を減らす効果はあるが、タマネギに含まれているのはごくごく微量で、ケルセチンが身体にいいからといって、タマネギを摂るといいに違いないと言うのはエビデンス(科学的根拠)がないと批判している。それに対して周氏が反論しているが、文春の求めに応じて出してきたデータはたった1例だけだった。  私もタマネギは好きだし、スライスしてオカカをかけたり、ぶつ切りにしてカラシ代わりに納豆に入れて毎日のように食べている。身体にいい野菜だとは思うが、タマネギ健康法の雑誌や本まで買って読もうとは思わないし、「酢タマネギで病気が治る」とタイトルを打つ出版社の良心を疑う。  国会でつまらぬヤジを飛ばして謝罪するなど、居丈高な態度が目につく安倍首相だが、彼がなんとしてでも成立させるとしている安保法制の核になる「集団的自衛権の行使」が、ここへ来て保守派の憲法学者からも「違憲」だとされ、新潮によれば「棺桶に片足を入れた」状態になってしまったようだ。  憲法審査会に呼ばれた3人のうち、自民党推薦の長谷部恭男早稲田大学大学院教授までが「集団的自衛権の行使は違憲」と発言したのに、よせばいいのに菅官房長官が会見で、「違憲じゃないという著名な憲法学者もいっぱいいる」と発言してしまった。  翌日、朝日新聞の記者が「憲法学者とは具体的に誰のことか」と質問されて、菅は「有識者(安保法制懇)にも憲法学者がいた」と答えたが、記者から「安保法制懇に憲法学者は1人。いっぱいではないのでは?」とたたみかけられ、しどろもどろになってしまったと新潮が報じている。  『報道ステーション』(テレビ朝日系)では憲法判例百選の執筆者198人にアンケート調査を行い、151人から返信をしてもらった。  6月15日にその結果を発表したが、集団的自衛権行使は違憲だと答えたのが132人、違憲の疑いがあるは12人、違憲ではないと答えた憲法学者はわずかに4人だった。本来ならこうしたものはNHKがやるべきものだが、安倍首相の傀儡会長の下ではできないのだろう。  小林節慶應義塾大学名誉教授は日本記者クラブで会見し、こう発言している。 「(集団的自衛権が)違憲というのはもちろんですが、恐ろしいのは、憲法違反がまかり通ると、要するに憲法に従って政治を行うというルールが無くなって、北朝鮮みたいな国になってしまう。金家と安倍家がいっしょになっちゃうんです。これは絶対に阻止しなければならない」  週刊朝日の連載で田原総一朗氏は、安倍首相の安保政策は2012年に日本に影響力を持つアーミテージとジョセフ・ナイが発表した「第3次レポート」の丸写しだったと書いている。  違憲だと自分でもわかっているのに、関係のない「砂川判決」まで持ち出して強行採決しようとしている安倍首相は、アメリカの何かに怯えているのだ。  なんとしてでも8月頭までには成立させたい安倍首相だが、専門家からはダメを出され、支持率もだんだん下落しているなかで強行採決などしたら、それこそ日米安保条約で辞任した岸信介の二の舞いになる。  否、岸は憲法を改正したかったのだろうが、まずは日米の同盟関係を見直す安保条約をやってからという「常識」は持っていた。その孫である安倍は、違憲状態を作り上げてから憲法改正に持っていくという、本末転倒どころか「憲法違反」を白昼堂々と行おうとしているのだ。  国民がやるべきは、まず安倍の支持率を徹底的に低下させ、怯えた安倍に集団的自衛権行使を諦めさせることだ。そしてその次には、選挙で自民党を与党の座から引きずり下ろす。まずは、安倍首相の支持率を下げる国民運動を身近なところから始めようではないか。  週刊朝日が、政府は来年4月施行を目指して、残業代をゼロにする法律「改正労働基準法」を今国会で通そうとしていると報じている。  この法律の狙いは主に2つ。1つは専門職に就き、高収入を得ている人を労働基準法の時間規制から外す「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)、いわゆる「ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)制度」。もう一つは「裁量労働制の対象拡大」である。WEは、為替ディーラーや研究開発職など、高度な専門知識で業務に従事する年収1,075万円以上の人が対象。本人が同意し、労使で構成する委員会で合意した上で導入される。  だが今後、年収要件が引き下げられることになるだろうと見られている。それに「むしろ“定額働かせ放題”になる危険性がある」というのは東京管理職ユニオンの鈴木剛執行委員長だ。 「日本は先進国のなかでも労働時間が断トツに長い。管理職になると仕事量が増えて残業がなくならないのが現状です。責任感の強い人ほど、成果が上がるまで必死に働こうとするので、歯止めがかからなくなる」(鈴木氏)  朝日によれば、国際労働機関(ILO)などのデータによると、週49時間以上働いてる人は、アメリカ16.4%、フランス10.8%、これに対して日本は21.7%と、世界から見ても働きすぎだという。  こうした不当な労働が強いられても、労働者が意識を持たなければ泣き寝入りするしかない。社内の労働組合のほとんどが御用組合なのだから。  正規雇用でも例外ではないと、NPO法人労働相談センターの須田光照副理事長が話している。同センターには昨年、8,268件もの相談が寄せられたが、相談者の64.2%は正社員だったという。残業代ゼロが施行されても不当な扱いに対して戦うことができる。そのためにも、日ごろから勤務時間を記録するなど対策を立てることが大事だという。  そういうときのための相談先を書いておこう。全国の総合労働相談センター(厚労省HP)、連合、NPO法人労働相談センター、東京管理職ユニオン。安倍は企業の経営者のために、労働者の命まで安売りしようとしていると言わざるを得ない。  ポストはアベノミクスによる円安で、日本は700兆円も損をしているとレポートしている。  安倍首相は6月8日の記者会見で「円安は輸出企業や海外展開をしている事業者にはプラスだ」と語った。  アベノミクスで日経平均株価は2倍以上になり、株や現預金等の国民の個人金融資産は見かけ上、安倍政権発足時(12年末)の約1552兆円から約1694兆円(14年末)へと2年間で142兆円も増加した。大メディアは「過去最高を更新」(日経新聞15年3月18日)とヨイショしている。だが、それはあくまでも「円」で見た数字だとポストは批判する。 「自民党政権復活を見越してドル円レートがはっきり上がり始めたのは12年11月16日の衆院解散時からだ。その日のレートで、データがある一番近い12年末の個人金融資産をドル換算すると約19兆1000億ドルあったが、現在は13兆5500億ドルと約5500億ドル(約700兆円)も目減りしているのである。そのカネがあれば何が買えたかを考えると、失ったものの大きさがわかる。時価総額世界首位の米国アップル社(7505億ドル。5月末株価)をはじめ、マイクロソフト(3790億ドル)、グーグル(3720億ドル)や石油メジャーのエクソン・モービル(3560億ドル)など世界トップ10の企業の全株式を買い占めても3兆7380億ドルでまだお釣りが来る」(ポスト)  だがポストの言うように、これらの大企業がすんなり株買収に応じるのか? そう簡単なことではないと思う。  それはともかく、ポストはこう結んでいる。 「円高時代、日本人は気軽に海外旅行へと出かけたが、いまや旅行費用が高すぎて渡航客が減り、企業の海外出張も、学生の海外留学も減った。代わりに中国人が『日本は安いよ』と訪れ、日本人は宝石も貴金属も売り払って外国人観光客の落とす外貨に群がっている。アベノ円安でいつの間にか日本は中国人から見下される『経済三流国』になっていたのである。これが安倍氏の目指す『美しい国』の姿なのか」  アベノミクスが失敗に向かっていることは間違いない。その上、アメリカのヘッジファンドも、日本だけでなく世界的な株暴落に警告を発していると、現代が報じている。  世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター」は75年の創業以来、右肩上がりで成長を続け、現在の運用規模はヘッジファンドとして世界一の1650億ドル(約20兆円)だという。  その金融界最高の知性のトップ、レイ・ダリオ氏が新しく迫りつつある危機を警告している文書「日々の洞察」を発表して話題になっているというのである。 「その内容とは、近いうちに予定されているアメリカの利上げが実施されると、『1937年の悪夢』が再来するというものだ。一部を引用しよう。『私たちは歴史は何度もくり返すと考えている。時代や国境に関係なく、論理的な因果関係に基づいてくり返すのだ。 また、世界経済は長期的な債務のサイクルをくり返すものであり、そのことはまだ十分に理解されていない。そしてもう一つーー中央銀行の金融刺激策は限界を迎えているようだ。(中略)私たちはエクスポージャー(リスクの高い資産をもつこと)に対して慎重になっている。なぜかというと、現在の状況が37年の状況によく似ているからだ』」  それは、1929年と2007年はバブルの絶頂で、債務残高がピークに達した。31年と08年には、不況により金利がゼロまで下げられた。33~36年と09~14年は株式市場もリスク資産も上昇を続けた。37年には中央銀行が引き締めに踏み切り、悪循環に陥った。そしておそらく15年も同じことがくり返される。  08年から始まったアメリカの量的金融緩和は、3度にわたる大規模なものだった。日本も黒田氏が日銀の総裁に就任して以来、大規模な緩和を行っている。こんな中でジャネット・イエレンFRB議長は、この6月か9月には、いよいよ利上げに踏み切るのではないかというコンセンサスが生まれつつある。  RPテック代表の倉都康行氏は「FRBが利上げを強行すれば、アメリカ株は2割近い急落が起きても不思議ではない」と懸念している。  安倍首相は経済政策でも行き詰まり、憲法改正を急いだために、聞かれなければ黙っていたかもしれない憲法学者から「違憲」だと言われてしまったのだ。キジも鳴かずば撃たれまいに。  今週、一番身につまされたのは、現代の「自転車事故で賠償金9500万円」の記事だ。  現代によれば、08年、自転車に乗った男子高校生が歩道から車道を斜めに横切って、24歳の会社員男性と衝突。男性に言語障害が残るケガを負わせたとして9,300万円の賠償命令が下された。  10年には、スポーツタイプの自転車に乗った会社員の男性(42歳)が、信号無視をして横断歩道に侵入し、横断中の女性(75歳)と激突。女性は意識不明のまま事故の5日後に死亡する事件が起こり、賠償金4,700万円の判決が出ている。  その事件で被害者側の代理人を務めた正田光孝弁護士がこう語る。 「自転車は身近な乗り物であるため、深く考えずに乗っている人が多いですが、法律上、自転車はれっきとした『車両』です。免許のいらないクルマなんです。よって事故起こしたときの損害賠償は自動車事故の場合とまったく変わりません」  こんなケースもある。小学5年生(11歳)の男の子が乗る自転車が、ブレーキもかけずに突っ込み、追突された69歳の女性は約2から3メートルもはね飛ばされ、頭を強打。一命は取りとめたものの脳に重い障害が残った。  事故の悲惨さをもっと知ってほしいという意味を込めて、その夫が加害者である男児の母親を相手取り、損害賠償請求を起こした。そして13年、大阪高裁は「子どもの監督義務を怠った」として、母親に対して9,500万円の賠償命令を下した。  結局、母親は自己破産して1円も賠償金をもらうことができなかったというが、被害者の夫はこう語る。 「その危険性を国民全員が認識して、自転車保険には、あらゆる人が入るべきだと思います。事故を起こしてからでは遅いのですから」  日本自転車普及協会理事の渋谷良二氏が話す。 「今回の法改正により、危険運転に定められている14項目を、3年以内に2回違反をした者は『安全講習』を受けなくてはならなくなりました。  違反した者は受講手数料5700円を払い、受講命令を無視する5万円以下の罰金を払わされます。  いままでは違反運転をしても、よほどの場合でない限り注意で済みましたが、これからはキップを切って講習を受けさせるということです。(中略)  一方通行を逆走するのも違反です。一時停止を怠ったり、停止線を超えて止まるのも禁止。イヤホンをつけての運転や、携帯電話を見ながらの運転も摘発対象になりうる。  もちろん飲酒運転は自転車の場合も論外。もし飲酒運転で事故起こせば、懲役や罰金などの刑事罰を受けます」  自転車に乗るのが怖くなってきた。  文春によれば6月4日の自民党の厚生労働部会で、ベテラン議員のこんな怒声が響き渡ったという。 「政権が吹っ飛びかねない問題だぞ」  公的年金の給付などを行う特殊法人・日本年金機構がウイルスメールによる不正アクセスを受け、基礎年金番号や氏名など125万件の個人情報が流出した事件のことである。  安倍首相の頭には、第一次安倍政権で納付者を特定できない国民年金や厚生年金が5,000万件以上あることが発覚して、社会保険庁が解体され、世論の猛反発を受けて退陣に追い込まれたあの「悪夢」が甦ったに違いない。  当時の官房長官は「お友達」の塩崎恭久氏で、彼は政権を崩壊させた「A級戦犯」といわれたが、今回の流出事件の担当もやはり塩崎厚労相だった。歴史は繰り返すのである。  文春によれば、5月8日に福岡・博多にある日本年金機構九州ブロック本部の職員が「厚生年金基金制度の見直しについて(試案)に関する意見」と題されたメールを受信し、開封したことから始まったというが、この組織のセキュリティの甘さと対応の遅さには腹が立つより呆れてしまう。  後で触れるが、年金だけでなくすべての情報を一括管理しようと国が企む「マイナンバー」だったらと思うと、ゾッとする。  この機構の責任者・水島藤一郎理事長の引責辞任は当然だが、この情報が悪用されて被害が発生しても「補償しない」と塩崎が言い放ったのには驚いた。すぐに審議官が補償する意向を表明したが、こんな輩は即刻クビにすべきである。  年金機構には問い合わせが殺到しているそうだが、その対応には知識もないアルバイトが集められ、なんの根拠もないのに「悪用される心配はございません」と、たどたどしく答えているそうだ。  漏洩した件数は、125万件以上あるのではないかともいわれている。  今回漏れた「基礎年金番号」「住所」「氏名」「生年月日」だけでも、犯罪に利用するプリペイド式のレンタル携帯を借りることができるなど「十分悪用ができる」と詐欺事件の前科を持つ某氏が話している。  また、みんなが自分の情報が漏れているのではないかと心配しているだけに、ジャーナリストの多田文明氏の言うように「詐欺に遭う可能性が高まる」ことは間違いないだろう。  国民のあらゆる情報を一元管理するマイナンバー制度は13年に成立しており、来年1月から税、社会保障、災害対策の3分野で実施されることになっているが、国のセキュリティの甘さが露呈したいま、即刻中止すべきだ。  このような制度を実施しているアメリカなどでは、なりすましによる税の不正還付や社会保障番号の売買などの実害が出ているのだから。  白鵬大学の石村耕治法学研究科長の言うように「制度の構想を始めた20年前ならまだしも、今ではマイナンバー制度は時代錯誤」だから、白紙に戻して考えるべきである。  ダイエットブームである。次から次へと怪しげなのが出てくる。少し前にはやったのに「ビリーズブートキャンプ」というのがあった。だが、あれほどハードなダンスや運動をすれば誰だって痩せたりムキムキマンになるのは当たり前だと思うのだが、熱に浮かされている人たちはそれに気がつかなかったようだ。  新潮は、テレビCMを1カ月に558本も打っている「ライザップ」というトレーニングジムを取り上げ、このままでは「客とスタッフが危ない!」と特集を組んでいる。  私も目にしたことはある。「2カ月で、このカラダ」。そうならなければ「全額返金保証」などとうたい、赤井英和や香取慎吾が広告塔になっている。「ライザップ」のCMがいかに多いかは、「アメリカンファミリー生命保険(アフラック)」が同期間で半分の279本だったことでわかる。  ここを立ち上げたのは、健康食品の通販を手がける「健康コーポレーション」という会社で、社長は37歳の瀬戸健という人物。14年3月期の売上高は約239億円。それに対して広告宣伝費は約49億円、約20%にもなる。  新潮によれば「ライザップ」の特徴は、ジムでのトレーニングと炭水化物の摂取を徹底的に排する低糖質食事法にあるという。入会金は5万円で、トレーニングを週2回、2カ月で計16回行う最もポピュラーなコースでさえ、29万8,000円だそうだ。  だが、マンツーマンで指導されるというから、トレーナーたちがプロフェッショナルなら、このくらいは仕方ないのかもしれない。  現役店舗責任者は「現在、全体でトレーナーは800人ほどいますが、その内8割から9割はパートタイマーです。時給は基本的に900円となっていて、ゲスト(客)のトレーニング中は1400円にアップします」と語り、元トレーナーは「ライザップは短い研修で大勢の未経験者をトレーナーにしてしまっており、危険です。(中略)研修を担当している人が、“こんな短期間じゃ使える人材は育たない”とボヤいていましたよ」と話している。  それに労働時間が長く「中には(残業時間が=筆者注)100時間を超えている人さえいますよ」(現役店舗責任者)というから「まさにブラック企業」(同)のようだ。  食事制限については、調味料の糖質まで抜けという厳しいものだそうで、しかも短期間で激しい筋トレを行うから、「これはもはやボクシングの減量の世界で、『あしたのジョー』の力石徹を生み出しているようなもの」(秋津壽男秋津医院院長)。それに、トレーニングが終わってからも同じ食生活を維持できなければリバウンドしてしまうそうである。  そのためかどうか、血圧が高くて降圧剤を飲んでいた客がトレーニング中に失神したり、ヘルニアになってしまった客がいたり、「去年の夏、品川店では、客がトレーニング中に脳卒中になるという“重大な事故”が起こりました」(元トレーナー)  客がトレーナーの対応に怒って入会金を返せと言うと、「会則で(返金は)会社が承認した場合」と書かれていることを持ち出して渋るそうだ。  瀬戸社長は新潮のインタビューに答えてはいるが、私が一番聞きたいトレーナーたちの研修時間の短さや技量アップ問題をどう考えるのかについては質問していないため、私には不満足なものであった。ここがインチキジムだとは言わない。これだけの食事制限とハードトレーニングをすれば、それなりの結果が出て当然であろう。それならボクシングジムへでも通ったほうが費用も安くて、達成感もあるのではないか。しょせん、カネで買った肉体は相当強固な意志がなければ維持できないはずだ。  そんな無理をせず、おいしいものを食べて、新宿御苑や神宮外苑でも散歩していたほうが人生は楽しい。少しくらい太っているほうが男も女も見場がいいと思うのだがね。  さて、東京五輪の目玉である新国立競技場建設に赤信号が点り始め、IOCも危惧を表明する事態になっている。すでに建築家の槇文彦氏が会見を開いて計画の見直しを唱え、波紋は大きく広がってきている。  新潮は「昆虫のように伸びたスロープがJR線の上をまたいでおり、また高さも制限をオーバーするなど、公募条件から大きく逸脱していた」(新国立コンペの審査員の一人)、ザハ女史のデザインを、委員長権限で採用した安藤忠雄氏にも「罪」があると批判している。これが今週の第1位。  何しろ、この奇天烈なものをデザイン通りに建設すると予算は2,500億円を越え、工期も間に合わないと言われているのだ。  五輪の1年前にラグビーW杯が行われるが、その会場として使うためには、デザインを縮小して屋根つきでないものにしないと間に合わないそうである。  このザハ女史はSF映画のような現実離れしたデザインが多く、「『建てた建物より実現しなかったプロジェクトの方が有名』『アンビルト(建築されない)の女王』などと言われていました」(建築ジャーナリスト)  その上、今回のコンペでも神宮外苑を下見するでもなく、よって環境との調和などを考慮した形跡は微塵もないそうだ。  五輪のメイン会場の建設費はアテネが約300億円、北京でも約650億円、ロンドンは約700億円というから、新国立の建設費がいかにバカ高いかがわかる。  当然、なぜこのようなデザインを選んだのか、東京都民だけではなく国民に対しての説明責任が安藤氏にはあるはずだ。だが、新潮の取材にこう答えている。 「問題点を並べ立てると、『いいから、来んといてくれや。はい、さいなら……。ええ加減にせえや! もう帰れよ!』」  これを読む限り、世界的な建築家であり、日本を代表する知性をお持ちの方とはとても思えない。昔、日本テレビで大橋巨泉氏が『こんなモノいらない!?』という番組をやっていたが、そう言いたくなる、新国立競技場をめぐる迷走ぶりである。 (文=元木昌彦) 週刊誌スクープ大賞

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