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初めに拡散された組み写真。さすがに機内でこの行為は不可能では……。さらに、それぞれの写真に写る女性が同一人物である確証もない。
4月8日、中国版Twitter「微博」に、衝撃的な2枚の写真が投稿された。1枚目には、非常口横のジャンプシートに座るCAが、ワイシャツにスラックス姿の男性の下半身あたりで何かを口に含んでいる様子が、そして2枚目には、機内でほほえむ美人CAが写っていたのだった。
投稿主によって「深セン航空CAの規格外サービス」というタイトルが付けられたこの組み写真は、ネット上で瞬く間に拡散。さらにネット民たちの“人肉捜査”(匿名報道された個人情報の割り出しや、事件の真相を暴く行為)により、CAの個人名までが特定された。
さらに、やはり制服姿の女性が、ホテルの一室の鏡の前で股間をまさぐる動画も、同一のCAによるものとしてネット上に投下され、ネット上はお祭り状態となった。
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続いて投稿された動画。確かに美脚だが、残念ながら男性のものだった。
ところがその後、CA本人を名乗る微博アカウントで、「ビルの屋上に座っているけど、もう強くなれない」「あなたたちの悪辣さにありがとう。もう私に会うことはないでしょう」などといった、遺書めいた書き込みがなされ、一部メディアも「渦中のCA自殺か!?」などと報じた。
翌9日、深セン航空は騒動に関する公式コメントを発表。人肉捜査によって特定された名前の女性は確かに同航空会社に在籍しているものの、1枚目の写真の女性は別人で、写真自体も合成。ホテルの一室の動画も別人という内容だった。
さらに彼女は、自殺はしていないものの、精神的ショックが大きく、勤務ができない状態にあることも伝えられた。
実際、1枚目の写真はあまりにも現実離れしたシーンであり、誰が撮ったのかという疑問も残る。2枚目の写真のCAと同一人物であるとする根拠も乏しい。また、動画については、この件とまったく無関係の女装家が、過去にネット上で公開していたものであったことが判明している。
しかし、こうして公式に否定された後も、彼女のものとされる新たな写真や動画が多数出現。さらに、「本物に違いない」と固く信じているネット市民も、依然少なくないようだ。
また、騒動に便乗したトロイの木馬型マルウェアまで登場し、一連の写真や動画をダウンロードしようとしたところ、感染したという報告も出ている。
ちなみに、スターアライアンスに加盟する深セン航空は、深セン宝安空港をハブに成田空港と関西空港にも就航している。同CAの名誉回復と、一日でも早い職場復帰を祈りたい。
(文=牧野源)