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違法クリニックを経営していた17歳の少女
中国メディア「都市快報」(7月12日付)によると、浙江省杭州市で、無許可で美容クリニックを経営し、医療行為や医薬品販売を行っていたとして、17歳の少女が逮捕された。
高校中退後、フリーター生活をしていた少女は、「外見の良さが収入の良さにつながる」と実感。二重整形や小顔整形などの美容外科手術にハマっていった。
さらに少女は、自身の美容整形歴をSNSで報告。「ビフォー・アフター」写真を公開する一方で、美容用の医薬品や医療器具をネット販売するようになった。
警察の調べでは、こうした商品を原価の3倍ほどで販売しており、高収益を上げていたようだ。
さらに今年3月には、美容クリニックを開業。ボトックスやヒアルロン酸などの注射を自ら行っていたという。医師免許はもちろん看護師免許も持たない少女だったが、医薬品に関する知識や注射方法は「独学で覚えた」のだという。
同紙が記事で伝えているのはここまでだが、掲載された写真に押収品として映っている薬剤の数々に、「メルスモン」とカタカナで表記されたものが見える。
メルスモンとは、日本の製薬会社「メルスモン製薬」が製造・販売している乳汁分泌不全および更年期障害の治療を目的とした注射薬だ。その原料はヒト胎盤であり、特定生物由来製品として、厳格な管理が義務付けられている。投与にあたっては、医師の処方のもと、病院内で行わなければならない。
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押収品の写真。右下あたりに「メルスモン」の文字が見える
ところが、このメルスモンと、やはりヒト胎盤を原料とする日本生物製剤の肝機能障害治療薬「ラエンネック」が横流しされ、中国に持ち込まれて転売されるケースが後を絶たない。
その理由について、中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏はこう話す。
「中国では、ヒト胎盤は昔からアンチエイジングや美容に効果があると信じられており、漢方薬として珍重されてきた歴史がある。ところが、産婦人科病院による胎盤の横流しや感染症などが問題となり、現在ではヒト胎盤の流通が禁止されている。そこで、安全で高品質な日本のヒト胎盤由来製剤に注目が集まっているんです」
カタカナ表記で「メルスモン」と書かれたくだんの品は明らかに日本国内向けの製品であり、中国に非正規に持ち込まれたものである可能性が高い。
胎盤は、産婦の体内から産後に排出される臓器だ。メルスモンのようなヒト胎盤由来製剤の製造にあたっては、その原料となる胎盤を、産婦の協力を得て確保している。日本人女性が善意で提供した臓器で作られた製剤が中国人の違法クリニックで使用されていたとしたら、なんとも報われない話である。