今週の注目記事 グランプリ 「安倍首相が握っていたオバマ夫妻の『離婚』情報」(「週刊現代」5/10、17合併号) 第2位 「ユニクロ『障がい者』社員いじめ・パワハラを告発する!」(「週刊文春」5/1号) 第3位 「安倍三代と『在日』」(「週刊ポスト」5/16号) 第4位 「人妻を妊娠させた楽天No.2『國重副会長』愛のメール春夏秋冬」(「週刊新潮」5/1号) ワースト記事 「韓国船沈没 300人を見殺しにした朴槿恵の大罪」(「週刊文春」5/1号) 特別付録 「フライデー」はなぜ面白くなくなったのか またまた競馬で勝った話になるが、お許しあれ。「おまえは自分が勝った時にしか書かない」と言われるのも承知の上である。競馬好きの性のようなものだが、負けたことは即刻忘れる、勝ったことはボケても覚えているのだ。 日曜日(4月27日)の「フローラルS」。迷いに迷った末に、マイネグレヴィルとブエナビスタの妹・サングレアルから馬単で流した。 サングレアルの心配は、まだ2戦しかしていないことと休み明け、馬体が414キロと小さいことなどいろいろあるが、何しろ「王家の血脈」といわれる超良血馬だからだ。競馬は血が走る。 岩田騎乗のサングレアルは中団から進み、直線に入って追い出しにかかるが前が開かない。岩田のミスである。仕方なく岩田は一呼吸置いて外に出す。ようやく進路が開いたとたん、騎手のヘタさに腹を立てたのだろう、小さな馬の根性が爆発した。楽勝と思われたブランネージュを一完歩ずつ追い詰める。並んだところがゴールだったが、頭差サングレアルが差し切っていた。それも、レコードタイムのおまけ付き。ゴール前、思わず叫んでいた。馬単は4番人気・6番人気で1万3,510円の高配当。これだから競馬はやめられない。 現代編集長が、競馬が当たらないと「音羽の杜から」で嘆いていたが、俺のところへ来れば教えてあげるのに。 さて今日は現代、ポストが合併号。現代430円だが、あれれ~ポストは440円だぞ。消費税値上げ後、税抜き表示が多くなり、ちょっと買い物をするとレジで消費税分を上乗せされるから、“うわ~、高け~”と思うことが多くなった。これで個人消費に影響がないなんて、絶対ないと思う。 だが、衆院鹿児島2区補選も沖縄市長選も自民党候補が勝ってしまった。政治よりも経済重視なのはわかるが、有権者は安倍政権が本当に経済回復できると信じて投票したのだろうか。 今日の株価は、今の時点で200円超値下がりしている。ウクライナ情勢やアメリカの経済の先行き不透明感もあるのだろうが、安倍自民党の勝利を市場も歓迎していないのだ。 さて今週はまず、フライデー最新号を論じるところから始めよう。 現編集長とは、私も一緒に仕事をしたことがある。軟派記事に強いフライデー向きの人間だが、そのいいところが生かされていないことがとても気になるのだ。 だいぶ前になるが、読売新聞社が出していた「週刊読売」という週刊誌があった。失礼だと思ったが、あるところで「日本一面白くない週刊誌・週刊読売の研究」というのをやったことがある。 そこで「私にやらせたら3カ月で部数を20万部増やしてみせる」と書いたら、旧知の読売新聞幹部から接触があり、一夕「秘策」を話したことがあるが、残念ながらそれは生かされず、何度かリニューアルしたが休刊してしまった。 そうならないように、フライデーの今週号を例にとって、私の考えを書いてみたい。 表紙は小嶋陽菜というコらしいが、なかなか色っぽい。AV嬢か何かだと思ったら、AKB48のビジュアルNo.1なんだそうだ。失礼! カラーの2本目に、「巨人の坂本勇人と熱愛中」だと自分のところで報じた体操選手・田中理恵の、元カレとのアツアツ写真が載っている。26歳にもなる田中だから、1つや2つ浮いた話があっても当然だろうが、この写真を見た坂本がなんと思うか? ちと、かわいそうな気もする。 ネームバリューでいえば、井上真央と嵐の松本潤の「密会」のほうがあると思うのだが、表紙の扱いも小さいのはなぜか? 読んでみたら、深夜の密会までは追いかけたが、その後、井上は自宅に帰ってしまったそうだ。ウワサ通り、2人が人目を忍んで会っていることは確かなようだが、それ以上は確認できていない。だから小さいのね。了解! いつも新聞広告を見て不思議に思うのだが、右のトップに硬派記事を出すのはなぜなのだろう。 今週も、本文ページのトップは「オバマ大統領と安倍首相 笑顔の裏で『互いのここを信じない』」であるが、取り立ててフライデーらしい情報も写真もない。 次も韓国船が沈没した記事だが、写真は共同通信と時事通信からのものである。こうした事故や事件に、いまやカメラマンを派遣しないのであろう。写真が命の写真誌の写真が「借り写真」では寂しい。 NHK籾井会長が料亭から出てきたところを撮っているが、失礼だが「ただ撮りました」というだけの写真では……。 積水ハウスの新築マンション手抜き工事告発記事は、写真はともかく、評価したい。それと銀座の有名ママで1億7000万円を脱税した佐藤成子(69)をバッチリ撮って、彼女が08年にも2億4000万円を脱税した罪で在宅起訴され、有罪判決を受けているので、今回は実刑を免れないという記事にも拍手。恐れ入ったババ・ママだね。 合併号だからか「袋とじ」は3本と大奮発。ミス東スポグランプリの木嶋のりこ、創刊30周年記念特別企画(そうか~、30年もたつんだ)、大女優たちの「歴史的SEXY写真」、それとTBSの『サンデー・ジャポン』とやらでおなじみだそうだが「尾台あけみ 奇跡のヘアヌード」。57歳のヘアヌードって見たいかね? 私は開かずに次へ行く。岩手県で17歳の少女を殺害したとして全国に指名手配されている容疑者の父親が、息子が犯人と断定され、名誉を毀損されたとして、国と岩手県を相手に損害賠償を求めているが、この事件、確かに謎が多く不可解な事件である。 憲法9条をノーベル賞の正式候補としてノミネートさせることに尽力した神奈川県の主婦の写真と記事だが、写真はもっと工夫してほしかったね。 化粧品会社の会長から8億円借りたことがバレて党首を辞任した渡辺喜美とその妻・まゆみが、初めてカネを受け取った直後に、その会社のカタログに登場してPRしていたという記事も評価したいが、いくらなんでも遅すぎる。 美人スイマーの寺川綾と夫の「恋人時代の大胆キス」というのも首を傾げる。今さらだし、左側の居酒屋の飲み会での「隠れキス」写真は、以前載せたものではなかったか? よくわからないのが、巻末のカラーグラビア「動物たちの一生懸命交尾10態」。ほほえましいが、何も貴重なカラーを使ってやらなくてもいいのでは……。 一番よかったのは、巻末の「突撃! 噂の行列メシ」だ。東京・本所吾妻橋「野口鮮魚店」の海鮮ちらし(上)は見事なマグロやウニがたっぷりのっていて1544円だそうだ。 私の母親が住んでいたあたりだから、今度墓参りの帰りにでも寄ってみよう。とまあ、見てきたが、これで420円(合併号)は高いのではないか。何度も言うようだが、驚きのある写真がほとんどないし、フライデーで小難しい政治や外交の話を読みたいとは、読者の多くが思わないのではないか。編集長! 早めの手直しが必要だと、老OBは思うのだが。 お次は、文春のワースト記事。 「朴(槿恵=筆者注)大統領の周囲は反対したそうです。こうしたときは、国の指導者として、あらゆる情報を総合して、大局的に判断をしなければならない。しかしその反対を押し切った。現地でのパフォーマンスは怠りなく、家族らに情報を伝えられるよう大画面のテレビを体育館に持って来させたり、男性から電話番号を書いた紙を渡され、激励の電話をかけたりしていた。こんな細かいことを、国のトップがやっている場合ではないでしょう。東日本大震災の際、当時の菅直人総理が福島第一原発上空を視察して、現場を混乱させた様子を彷彿とさせました」 これは、文春の中のソウル特派員のコメントである。 韓国政府の対応のまずさや、船長たち乗組員の“非常識”な行動は批判されてしかるべきである。その上、首相が責任を取って辞任をすることになった。だが、このタイトルは気になる。「300人を見殺しにした」のは朴槿恵大統領ではなく、船長たちである。テレビで見る限り、朴大統領は泣き怒る遺族や行方不明者の家族たちの疑問や怒りに真摯に対応しているように、私には見えた。 コメントにある、福島第一原発事故の時の菅直人首相(当時)の場当たり的な行動と一緒にするべきではない。事故の深刻さは同じかもしれないが、放射能事故と今回の事故とでは、一国のトップが果たすべき役割も対応の仕方も違うはずだ。 日本の政治家だったら、官邸に籠もり「遺憾の意を表する」というコメントを発表するだけで、朴大統領のように素早く現場に行き、怒号渦巻く中に自ら入ることなど出来はしなかったのではないか。 また、このところ気になっているのは、行きすぎたヘイトスピーチのような本のタイトルが多く出版されていることである。『呆韓論』『悪韓論』(新潮新書)、『「妄想大国」韓国を嗤(わら)う』(PHP研究所)、『日本人が知っておくべき 嘘つき韓国の正体』(小学館)、『韓国人による恥韓論』(扶桑社新書)、祥伝社が出した新書『どの面下げての韓国人』では、朝日新聞に出稿した広告表現に対して、弁護士の神原元氏が「ヘイトスピーチ」に当たるとして朝日新聞に内容証明郵便を送付したそうだ。 韓国、中国から“先進国”だと思われている日本の出版界が、売れるからという理由だけでヘイトスピーチまがいのタイトルをつけた本や雑誌を山のように出版しているというのは、恥ずかしいことである。 韓国の新聞は今回の事故を批判し、4月21日付の「中央日報」では、韓国は「『先進国』の名刺をしばらく引っ込めよう」という記事を載せ、日本政府が「内閣危機管理監」の下で自然災害や海難事故に迅速に対応していることを紹介し、自国のことをこう書いているという。 「いくら経済規模が大きくなったといっても、国民の命が保障されない社会を誰が自信を持って先進国だと言えるだろうか」 この言葉は、今の日本にもそのまま当てはまる。そうであれば、新潮のように「日本人には少し違和感『韓国フェリー沈没』の悲劇」ぐらいが適当なタイトルだと思う。 その新潮が、楽天ナンバー2の國重惇史副会長(68)が不義を働いていたことを報じている。これが今週の第4位。 「奥さんと2人のお嬢さんがいる國重さんが不倫していたんです」と明かすのは、彼を知る関係者だ。 「相手は6、7年前に知り合った、現在、都内で暮らす43歳の女性。1年前から付き合い始め、彼女と一緒に海外に行き、国内でも一緒にホテルに泊まったりしています」 その上、不倫相手の森佳美さん(仮名)は専業主婦だからダブル不倫だった。しかし、最近はもめているそうだと、森さんの知人が語っている。 森さんが國重氏との色恋沙汰を詳しく話しているが、そこで國重氏のDVのようなこともあり、心が離れていったようである。 新潮の取材に対して國重氏はこううそぶく。 「不倫っていうのは、人によって定義が違うからね。僕が裸で(妻以外の)女性と抱き合っていたからって、それがどうしたのって話じゃない」 ところが、彼女が提供した証拠写真を突きつけると一転、 「でも、それ以上はやってない。彼女に挿入したってことはない。一度もない」 結局、取材に対する踏ん張りはどこへやら、4月22日、國重氏はあっさりと楽天のすべての役職を辞任したそうだ。意外に引き際は潔かったようだ。 ポストは、少し違った角度から安倍首相に対する“疑惑”を取り上げている。これが今週の第3位。 岸信介と安倍晋太郎、安倍晋三は三代にわたり、朝鮮半島、そして在日の人々と極めて密接な関わりを持ってきたそうだ。それは安倍首相の地元である下関の街を歩くと、その縁の深さを示す手がかりが数多く見つかるという。 「下関の地名は、在日韓国・朝鮮人にとって特別な響きを持っている。戦前戦中には関釜連絡船が年間200万人を運び、朝鮮半島から労働力として送り込まれた人々が、後に在日コミュニティーを築いたからだ。現在、下関に暮らす在日外国人のうち、韓国・朝鮮籍の人は約2900人。大多数が戦前に渡ってきた人とその子孫だ。下関市の全人口(約27万人)に占める在日の比率は1%で、全国平均(0.4%)の倍以上。日本国籍を習得した人とその家族を加えれば、下関の在日人口は万を超える」(ポスト) 在日が多いからどうなんだ、というわけでは毛頭ない。だが、韓国と岸、安倍首相の父親・晋太郎との結びつきは強かったことは間違いない。 日韓国交正常化は来年で50周年を迎えるが、その一方で、岸が日韓国交正常化を踏み台に、地元山口と韓国にまたがる「王国」を作り上げたことはあまり語られない、とポストは書く。 国交回復を機に、岸はさらに韓国政界中枢との関係を深めていくが、その時、岸に韓国人脈をつないだキーマンの一人が町井久之氏だった。 本名を鄭建永。1923年、東京に生まれた鄭は戦後、在日を中心に1500人の無頼漢たちを糾合し、暴力団「東声会」をつくり、会長として名を馳せた。政界の黒幕・児玉誉士夫とは特に親しく、その政界人脈を足がかりに日韓国交正常化交渉の水面下で橋渡し役を果たしたという。 岸が山口と韓国に築いた王国と人脈は、彼の秘書官を経て政界に打って出た晋太郎に受け継がれ、そのパイプをさらに太くしていった。 「かつて晋太郎が住み、いまは晋三名義となっている敷地面積2000平方メートルの豪邸は、下関市街を見下ろす高台に建っている。この家のかつての持ち主の名は、吉本章治という。福岡市に本社を置くパチンコ店チェーン・七洋物産の創業者。彼は、日本に帰化した在日1世である。晋太郎は長らく、自宅と地元事務所を七洋物産の子会社から格安で賃借していたほか、福岡事務所をタダで借り、スタッフの提供まで受けていた」(同) 受け継がれる人脈と金脈。下関の古株の在日から、こんなことを聞かされたという。 「晋太郎さんが林家(林家は下関の三大名家の一つで、林義郎元蔵相がいる=筆者注)に勝つため、岸さんが町井さんに晋太郎さんへの支援を要請したと聞いています。民団草創期の大幹部だった町井さんは、下関の仲間にいくらでも号令をかけることができましたから」 ポストによれば、「安倍晋三の下関にある地元事務所は、晋太郎時代のまま、在日1世が創業したパチンコ店チェーンの子会社から借りている。また、晋太郎の助力で業績を伸ばした前出の在日の水産業者は、晋三の代になっても支援を続けている」 ポストはこう結んでいる。 「ほかにも、北朝鮮や韓国に特殊な人脈を持つ在日は、晋三から遠くないところに少なからずいる。岸や晋太郎ならば存分に活用しただろう。今後、晋三が在日とどのように関わっていくのかわからない。しかしいずれにせよ、彼ら三代にわたる政治家が在日人脈を政治的な『資産』として運用し、自らのパワーに取り込んできたのは、紛れもない事実なのだ」 こうした在日人脈を使って、悪化する一方の韓国関係の打開策を考えてみたらいいのに。そう思うのだが、安倍首相は祖父や父が韓国と親しく付き合ってきたことを言わないのは、こうした引け目があるからではないのか。ポストは安倍の泣きどころをうまくついている。 さて、文春のユニクロ批判が止まらない。今週は障がい者社員へのいじめ・パワハラを告発しているが、これが今週の第2位。 ユニクロは2001年に1店舗当たり1人の障がい者を採用するという目標を掲げ、積極的に障がい者雇用を進めてきて、現在、1000人以上の障がい者が働いているそうだ。そのためユニクロは「障害者雇用のフロントランナー」と呼ばれているという。 「厚生労働省によると、同社の障がい者雇用率は六・六四%(十三年六月)。従業員五千人以上の企業ではトップの座にある。民間企業の法定雇用率が二・〇%であるのと比べると、六%台の障がい者雇用率というのはずば抜けて高いことがわかる」(文春) しかし、雇われている障がい者の声に耳を傾けてみると、同社が掲げる“看板”とはほど遠い実例が複数あることがわかってきたという。 障がい者手帳B1級を持つ自閉症の石尾辰道さん(48・仮名)は、中部地方のユニクロの店舗で働きはじめて8年になる。雇用形態は半年で契約を更新する「準社員」で、1週間の労働時間は30時間だった。石尾さんは7年間にわたり、契約を12回更新してきた。仕事の内容は、バックヤードでの品出し、ハンガー掛けなどだったという。 だが昨年6月以降、石尾さんはユニクロに在籍していながら、店舗のシフトから外されたため働けず、給与も支払われていない。そんな状態が1年近くも続いているそうである。 石尾さんによると、12年3月にN店長が来てから仕事の内容が大変になり、いじめも受けるようになったという。N店長や後任のM店長から何度も「次の更新はないからな」などと言われるようになり、とても嫌な思いをしたという。 そのため、石尾さんはユニクロに地位保全等を求める訴訟を準備しているそうだが、陳述書にはこんなくだりが出てくる。 「私の様子をじっと見て回るスタッフがいて、あらを指摘されることが増えました。『仕事がのろい』『仕事ができない』などと怒鳴られる事も増え、分からない仕事のやり方をMさんに聞いた時などは『何でそんな事いちいち聞く!?』と、フィッティングルームのお客様に聞こえるような声で怒鳴られた事もあります」 自主退職を迫るユニクロに対して、石尾さん側は、弁護士を立てて訴訟の準備を始めたが、そのことで事態が変化したという。石尾さんの家族とユニクロの人事担当者、M店長とで話し合いが持たれ、この席でユニクロの人事担当者は、石尾さんが他店舗へ異動する折衷案を持ち出してきたそうだ。 「そもそも最初に『お客の迷惑になる』として自主退職を勧めておきながら他店舗への異動を打診するなど、ユニクロ側の主張は根本から矛盾している」(文春) それに弁護士は、石尾さんの障害を考えると他の店舗への通勤はほとんど不可能だという。 石尾さんの家族が民事訴訟を行うのは、今後、同社の障がい者雇用が改善する礎になればとの思いからであるという。 これまでもこうしたケースはあったが、障がい者雇用に詳しい弁護士によると、家族の側に、障がい者の子どもを雇ってもらっているという引け目や、事を荒立てたくないという気持ちが強く働くから、なかなか表面化しないという。 しかし、企業が障がい者を雇用する際、厚生労働省から各種助成金を受けることができるのだ。 「ファーストリテイリングも厚労省も、これまでどれだけ助成金が支払われたのかについて、情報開示を拒んでいる。しかし仮に一人につき五十万円が支払われ、一千人以上の障害者を雇用しているとするなら、同社は五億円超の助成金を受け取っていることになる。ユニクロにはその分、健常者を雇う時以上の責任が求められるはずなのだが……」(同) ファーストリテイリングに質問状を送ったが、同社のコーポレート広報部の古川啓滋部長は「取材対応ならびにご質問への回答は控えさせていただきたく存じますと」と回答してきたという。 非正規社員1万6000人の正社員化や障がい者雇用の促進を声高に言うユニクロ柳井正社長だが、その実態が「ブラック企業隠し」であるとしたら、ユニクロのブランドも色あせてしまうことになるはずである。ここは、柳井社長自ら文春のインタビューに答えて、疑惑を“晴らす”しかないと思うが。 今週堂々のグランプリに輝いたのは、現代の“仰天”記事である。オバマ大統領の夫婦仲の悪さと不倫。これだから週刊誌は面白い。 国賓待遇なのに、日本側が再三お願いしても、ミシェル夫人を同伴することを拒否したオバマ大統領。夫人を同伴しない国賓待遇というのは、05年のモロッコ国王の例があるだけだと外務省関係者が話している。 オバマは、ミシェル夫人は子どもたちの学校の都合で来られなかったと弁明したが、ミシェル夫人は3月20日から26日まで2人の娘を同伴して訪中したばかりだから、説得力に乏しいことは間違いない。 では真相は? オバマ家の取材を続ける在米ジャーナリストの飯塚真紀子氏がこう暴露する。 「一説に言われている『ミシェル夫人は日本が嫌い』というのは間違っています。正確に言えば、『ミシェル夫人は夫が嫌い』なのでしょう。嫌いな夫とともに日本、韓国、マレーシア、フィリピンと4カ国も歴訪するなど真っ平ご免ということです。2人はもうずいぶん前から『仮面夫婦』状態で、『大統領退任の日が離婚の日』と言われているほどです」 ミシェル夫人が初めて離婚の準備をしたのは、今から14年も前のことだという。オバマ氏が00年に、地元シカゴから下院議員選挙に出馬して落選した時に、ミシェル夫人は弁護士に離婚の相談をしているそうだ。 続いて、オバマが08年の大統領選に出馬しようとしたときに、再び弁護士に離婚を相談。3度目は一昨年の大統領選で再選を目指したときで、早くシカゴに戻って娘たちに普通の生活を送らせたいと漏らしたようだ。 だが、ミシェル夫人が悩んでいるのは、2人の娘の教育問題だけではなかった。オバマ大統領の女好きに、常に悩まされてきたという。飯塚氏はこう話す。 「オバマ大統領の選挙対策本部入りした黒人女優のケリー・ワシントン(37歳)とは、たびたび“熱い関係”が噂になっています。再選を目指したオバマ大統領は、10月3日の結婚20周年記念に、共和党のロムニー候補とテレビ討論を行いましたが、それが終わるとハリウッドに急行。これに切れたミシェル夫人が、『ケリー・ワシントンに近づいたら即刻離婚する!』と大統領を怒鳴りつけたそうです」 クリントン大統領の「不適切な関係」と同じケースのようだ。2人の派手な夫婦喧嘩は有名なんだそうである。 「ハワイに同行したシークレットサービスは、ミシェル夫人がワシントンにいない間、オバマ大統領がホワイトハウスの自室に2度、女性を連れ込み、“不適切な関係”を結んでいたことを、ミシェル夫人に告げ口したのです」(アメリカの雑誌記者) いまやミシェル夫人はホワイトハウスのイーストウィングに引きこもり、オバマ大統領の側近たちは「ワーストウイング」と揶揄しているという。このようなわけで、オバマ大統領のミシェル夫人を伴っての来日など、どだい無理だったというのである。 この手の話はよくあるが、オバマ大統領を迎えた安倍首相のほうも、負けず劣らずの「仮面夫婦」状態が知られている。安倍首相をよく知る人物によれば、安倍首相夫人の昭恵さんも離婚を考えているというのだ。 「そもそも一昨年秋に、昭恵夫人は夫が首相になることが分かっていて、夫の大反対を押し切って東京・神田に居酒屋を開いた。これは将来、離婚後に自活するための布石です。今年初めには、東京・渋谷区で一つ屋根の下に暮らしながら、夫は2階、妻は1階という『家庭内別居』を実現しました。3月30日には、安倍首相の実弟・岸信夫外務副大臣の息子がフジテレビに入社するのを記念して、安倍家総出でホテルオークラに集まって食事会をやった。その時も、昭恵夫人だけ欠席です」 ミシェル夫人の「2016年の大統領退任離婚」はすでに既定路線で、離婚時に印税1500万ドルで回想録を出すという話まで水面下で進んでいるという。その際には、ホワイトハウスでの夫婦喧嘩の全貌も暴露されるだろうといわれているそうである。 そういえば、オバマはあのタイガー・ウッズと親しく、ゴルフ仲間だから、浮気がバレた際の注意事項を聞いているのかもしれない。あまり参考にはならないだろうが。 日本の両首脳ともに、いつ爆発するかわからない「家庭内紛争」を抱えていることこそが、今の日米関係の最大のリスクかもしれない、と現代は結んでいる。 ほかの記事では現代の「徹底調査 東京大学『首席卒業』のその後」というのが気になったが、首席卒業生たちの歩んだ道という表をざっと見る限り、みんなそれなりのエリートコースを歩んでいる者がほとんどのようだ。それではつまらないのでカットした。 (文=元木昌彦)「フライデー」(5/6号)
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元・名物編集長が古巣に愛のムチ!「『フライデー』はなぜ面白くなくなったのか」
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