シンプルな質問だが、あなたが昨夜食べた豚肉は、どれくらいの大きさの豚でどうやって解体され、どうやって調理された肉だか知ってますか? スーパーで、すでにパック詰された肉が販売されている時代には、一般消費者にとっては難しい質問だろう。
しかし、都会のド真ん中・赤坂に、羊の解体から調理までを目の前で見て、嗅いで、喰って、最後には相撲までとれるモンゴルレストランがある。そこの人気イベントが毎月開催される「羊一頭会」だ。
店内に入ると、先にスタンバッてたのは、元は元気だった羊ちゃん。毛皮はすでにひん剥かれて丸裸。この肉を寄ってたかって30人で喰ってしまおうというわけだ。
捌くのは店主のモンゴル人・スーホさん。慣れた手つきでバッサバッサと羊肉を切り刻むと、気持ちいいくらいドンドン小さくなっていく。
解体している最中にも、前もって調理してあったモンゴルの料理と酒が運ばれてくる。これは、パン生地っぽいので包んで焼いた羊肉の餃子みたいな「ホーシュル」。ミルク酒とよく合う。
食べてる間にも羊はさらに小さくなり、次に登場したのは、なんと羊の刺身! 沖縄でヤギの刺身は食べたことあるが、それよりは柔らかくて臭みもなく、非常に美味しかった。
飲み食いしてる間にも、客席前で無言で羊を解体するスーホさん。その肉がとなりの厨房で調理され、アッという間にテーブルに届けられる。
羊肉の野菜炒め(上)と、めちゃめちゃ美味しかったチーズ焼き(下)。 そして、メインはこれ! ちとグロいが、人間はこれを喰って生きているのだ。
あばら骨に大腿骨までむき出しの羊焼き。これが切り分けられてテーブルに乗せられると、女子は引いてしまうのではと思ったが……。
むしろ、積極的に手を伸ばしているのは男子より女子。テーブルでもどんどん刻まれ、それぞれの口に放り込まれていく。
解体が終わると、スーホさんがモンゴルの歌と話で楽しませてくれる。さらに……。
有志によるモンゴル相撲が取れるのも、この店の醍醐味の一つ。羊と酒と歌と相撲でモンゴルが思う存分楽しめる。 しかし、残念なことに、その「スーホダイニングバー」が7月いっぱいで閉店するという。6月と7月にも「羊一頭会」が開催される予定なので、行きたい、食べたいという方はどうぞお早めに。 羊丸ごと一頭、うもうございました。
http://sekaiheiwa111.blog.fc2.com/ 赤坂 スーホダイニングバー「羊丸ごと一頭」男性5500円女性5000円 インパクト ☆☆☆!! 味 ☆☆☆ 店 ☆☆☆ (写真・文=よしよし)