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Channel: 日刊サイゾー
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「恥知らずめ!」上海の公園に登場したパクリアート作品に、イギリス人作家が大激怒! 

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ロンドンにある本物(上)と、上海にあるニセモノ(下)。人口が13億人もいれば、“偶然”が起こる回数も増える確率も高まる
 工業製品からアニメ番組まで世界中からなんでもパクり、「辞書に“知的財産権”という言葉はない」といっても過言ではない中国。今度は堂々と芸術作品までパクったというから、もはやあきれる以外にない。  イギリスのメディアが報じたところによると、ロンドンの観光名所のひとつであるタワーブリッジの近くに「Timepiece」という芸術作品が置かれているのだが、それとうり二つなものが、上海中心部を流れる黄浦江の川辺の公園にあるのだという。  この「Timepiece」は、大英帝国勲章も受けている著名彫刻家のウェンディ・テイラーさんが1973年に制作したもので、ロンドン名物のひとつにもなっている。芸術愛好家から送られてきた上海のニセモノの写真を見たテイラーさんは、最初はこの写真をフォトショップで加工されたものだと思ったという。つまり、自分の作品の写真のバックに、上海の風景を重ねたものにしか見えなかったのだ。作った本人がそう勘違いするほど、上海の“作品”は本物にそっくりだった。  ところがよく見ると、時計の文字盤にあたる部分の角度が、少し大きくなっている。テイラーさんはそのことに気づき、この上海のニセモノを作った者に対して「恥知らずめ!」というコメントを発している。  実はというか、やはりというか、このような芸術作品のパクリは今回が初めてではない。昨年には、中国西部にある新疆ウイグル自治区のカラマイ市に完成したステンレス製の大型彫刻が、米国シカゴにある「Cloud Gate」(雲の門)という作品にそっくりだという指摘がされている。
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上が米国シカゴにある作品。下がカラマイ市のパクリ。パクリのほうは反射に歪みがあるが、そこはチャイナクオリティ
 この指摘に対して、カラマイ市側は「形が似ているのは偶然で、Cloud Gateは空を映しているが、我が市の作品は大地を映している」などという詭弁を弄している。  中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏は、今回の芸術作品のパクリが起こる理由について、このように推測する。 「エッフェル塔やピラミッドなど、世界の観光名所や歴史的建造物をミニチュア化して展示している公園が中国各地にあります。芸術作品をパクったのも、そのノリでやってしまったのかもしれません。どちらの作品も外に展示されていますから、歴史的建造物と同様、同じものを作っても問題ないと思ったのでしょう」  中国人にとって、パクリは当たり前のこと。「どうしてパクるのか?」と聞かれたら、きっと「そこにパクるものがあるからだ」と答えるのだろう……。 (取材・文=佐久間賢三)

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