照りつける夏の猛烈な日差しの中、そよ風に揺らぐ庭の緑を眺めながらスパークリングワインを楽しむ。そんなオトナな日曜日のランチタイム。 場所はミッドタウン東京にあるフレンチ&ワインバーである。シックな中にも華やいだ雰囲気の店内には、前夜の余韻がいまだ醒めないのか、はしゃぎ声を上げる女子大生風グループや、ママ友同士とおぼしき着飾ったセレブな人妻たち、そしてもちろん仲よさそうなカップルが、それぞれに週末のランチを楽しんでいる。 冒頭の観葉植物は、店の外周をぐるりと囲ったガラスから見える庭の景色である。洗練された都心のフレンチレストランでいただくのは、店おすすめのランチメニュー“menu déjeuner”ではなく、なんと「ダムカレーライス」なのだ。 以前、ダムカレーラーメンを紹介した際、「ダムカレーは、ダムのある地域限定のグルメ」と紹介したはずだが、ダムもない東京のど真ん中・六本木でダムカレーが楽しめちゃうのだ。 ダムカレーのメニューは全部で3種類。すべてが模したダムのある地域の特産物を使用したメニューとなっている。 筆者がオーダーしたのはその中でも季節感を最も表現したと思われる『夏野菜ダムカレー』である。これは、北海道の豊平峡ダム(アーチ式コンクリートダム)を模したカレーで、ベビーコーンや芽キャベツ、たまねぎ、ジャガイモなど、北海道特産の野菜のローストが添えられている。
しかし、そのもっとも大きな特徴は、大きな器に美しいアーチを描いたライスダムと、その隣に満々とたゆたうカレーの湖である。 まずはローストされて引き出された夏野菜の風味と甘味を味わってから、おもむろにダムの真ん中にスプーンの発破を仕掛け、ダムを崩壊させた。 すると、そこからユルユルと流れ出して来るのは、クリーミーな中にもスパイスを感じるカレーである。しかもこのカレー、銀座の『マキシム・ド・パリ』で提供されていた『銀座プラチナカレー』を再現したもの。これぞ、オトナな休日のランチにピッタリの味である。夏野菜をカレーに浸けて食べても、もちろんおいしい。
3種のダムカレーは、9月25日までの期間限定メニュー。他の2つのメニューもそれぞれに目でも舌でも楽しめるに違いない。 真夏の東京都心のダムカレー、うもうございました。 六本木 ジーニーズトウキョウ『夏野菜ダムカレー』1300円(税込み) インパクト ☆☆☆ 味 ☆☆☆! 店、店員 ☆☆☆!
(写真・文=よしよし)