今週の注目記事・第1位 「桃田賢斗 スナック美女との『乱倫写真』とヤクザ交遊!」(「アサヒ芸能」4/21号) 「『桃田選手』が撮られた『美人ママ』とキス以上の現場写真」(「週刊新潮」4/21号) 第2位 「藤原紀香は知っているのか? 片岡愛之助『隠し子の母』怒りの告発」(「週刊文春」4/21号) 第3位 「朝日新聞またも危機!『押し紙問題』の不可解な裏事情」(「週刊ポスト」4/29号) 第4位「『セブン&アイ』凄まじき権力闘争」(「週刊新潮」4/21号) 「セブン&アイ 鈴木敏文会長の独占告白」(「週刊ポスト」4/29号) 「<スクープ!> 鈴木敏文 独占告白」(「週刊現代」4/30号) 第5位 「舛添血税乱費知事の下劣な金銭感覚」(「週刊文春」4/21号) 第6位 「“甘利疑獄”<一色武氏が初めて明かす『URの秘密爆弾』>」(「週刊文春」4/21号) 第7位 「『オバマがヒロシマで謝るなら安倍は真珠湾に来い』と迫る米国の傲慢」(「週刊ポスト」4/29号) 第8位 「ユニクロ、マックの失敗は他人事ではない ある日、突然 捨てられる会社」(「週刊現代」4/30号) 第9位 「民進党『山尾志桜里』の嘘と政治資金ミステリー」(「週刊新潮」4/21号) 第10位 「籾井会長大暴走を支える『NHK美人記者』」(「週刊文春」4/21号) 第11位 「伊勢谷友介が16歳下の森星と半同棲中!」(「フライデー」4/29号) 第12位 「高齢者の憩いの場 ラブホの最新事情」(「週刊朝日」4/22号) 第13位 「青学大『箱根駅伝エース』の女性問題と暴行疑惑」(「フライデー」4/29号) 第14位 「『南海トラフ巨大地震』は半年以内に起きる!」(「週刊現代」4/30号) 【巻末付録】現代、ポストのSEX記事対決の勝者はどっちだ! 4月14日(木曜日)21時26分ごろ、熊本県で最大震度7の地震が発生した。私は遅い夕食をとりながらNHKの『ニュースウオッチ9』を見ていた。突然、地震警報が鳴り、そのすぐ後に九州で地震発生の第一報。九州地方の地図が出て、熊本のところに震度7と出ているではないか。東日本大震災と同じ規模の巨大地震。すぐに、川内原発は、玄海原発は大丈夫かと頭をよぎる。NHKで何度も流れる地震の瞬間の映像は、いかに揺れが激しかったかを教えてくれる。 熊本県・益城町は大きな被害に見舞われた。被災地の映像を見ながら胸塞がれる思いだった。不謹慎だが、同町に原発があったらとどうしても考えてしまう。先日、ここでも紹介した国会事故調の黒川清委員長は、福島第一原発事故で全電源が喪失したのは、津波の前の地震による可能性が高いと報告書に書いた。東日本大震災からわずか5年で震度7という大地震が起きたのである。被災地の救済と復興はもちろんだが、今すぐ原発再稼働をやめて、規制を見直さないと、取り返しのつかない事態になる。それが、今回の熊本地震の教訓だ。 週刊誌人間の哀しさである。木曜日、22時前、現代とポストは校了の最中である。校了中にテレビかネットで地震発生のニュースを知っただろう。ギリギリ間に合ったのではないか。 すぐに印刷所に電話して、締め切りを金曜日の朝8時まで延ばしてもらう。動ける人間をかき集め、直ちに取材を始める。最低3ページは欲しい。目次も差し替える。アンカーマンを手配して、データ原稿が少しまとまった時点で書き始めてもらう。ギリギリまで取材を続け、最後は口述でアンカーマンに伝える。なんとかなったはずだ。 そう思って今朝の現代とポストの新聞広告を見ると、現代には「『南海トラフ巨大地震』は半年以内に起きる!」というタイトルがあるが、ポストはなし。 私の時代から、ポストの校了は早かった。22時頃には終わっていたようだ。現代は0時前に終わることはまれだった。だが、これだけのニュースを知ったからには、編集部員に連絡して取材をさせ、突っ込むべきではなかったのか。 現代にしても、わずか1ページである。私の頃と違って、印刷所が校了遅れにいい顔をしないのだろうか? 編集長がそこまで言い出せないほど、弱腰なのか。せっかく週刊誌の第一報を、好機とは捉えなかったのだろうか? テレビや新聞では触れない疑問は多々ある。もし、震度7の地震が川内や玄海原発の真下で起きていたら? 比較的地震の少ないといわれていた熊本で地震が起きたことで、首都圏地震が早まる恐れはないのだろうか? 震度7に耐えられる住宅やビルが都市部でどれぐらいあるのかなどなど、知りたいことはある。 事件モノや、素早い取材を要する記事づくりをしてこなかったために、初動が遅れたのではないか。1ページの現代を読みながら、そう思った。14位にしたが、ここで伝えるような情報はない。 13位にいく。フライデーに「青学大駅伝エースの女性問題と暴行疑惑」という記事がある。 最強駅伝チームのエースA(22)が女性から高額なプレゼントをもらい、一夜を共にしたにもかかわらず、暴言を吐いたり、顔面に頭突きをするなどして、あばらを折るほどの重傷を負わせたという。 3月上旬、女性は代々木署に相談している。Aは事実を認めたが、会ってもニヤニヤしていて誠意が感じられなかったという。フライデーは本人、青学の広報部、Aが入社している某社の広報部に取材を申し入れる。本人からは返答なし。青学は一部情報が入っていると認めるが、詳細は把握できていない。某社だけが、入社前に本人から報告を受けていると話している。 これも、駅伝バカということか。バドミントンの桃田賢斗のように、人気があるとなんでも許されると錯覚していると、痛い目に遭うはずだ。 次は朝日の「ラブホの最新事情」。いまやラブホは、高齢者の憩いの場になっているというのだ。これも「死ぬまでSEX」効果か。ラブホのなかには55歳以上だと休憩500円引き、宿泊1,000円引きもある。 なかには「精をつけなはれ」ということか、「新鮮玉子かけご飯」を無料で出すところも。歌舞伎町の裏の辺りだろう、40歳ぐらいの女性がこう語る。 80代の男性2人が客にいる。1人は1カ月に3回ぐらい会って、焼肉&カラオケ→ラブホ。もう1人は2ヶ月に1回くらいのペースで会っている、妻持ち男性。 「80代でも最終的には(精子を)出したいんですよ。(中略)違いは若い人より、舐められるのが好きなことかな」 高齢者がラブホを使うのは、正午から夜6時くらいまでが多いそうだ。男だけではない。韓流にハマっている女性が、韓国料理店にいる男の子をラブホに呼ぶケースもあるという。 八王子には先の「GG(ジジイ)割」があり、玄関には靴を履きやすいように椅子、風呂場にはメガネ置きがある。高齢者は2人でゆっくり風呂へ入り、エロビデオを仲良く見てゆっくりするのが多いそうだ。 だが、小さなラブホには、長期滞在する年金生活者も多いという。あなたはラブホをどう使いますか? 私はしばらくラブホに縁がないな。 フライデーは人気俳優・伊勢谷友介(39)が、16歳年下の人気モデル・森星(23)と半同棲中だと報じている。 4月の昼下がり。東京・目黒にある桜並木の下を、格好いいカップルが歩いている。伊勢谷は俳優としてのキャリアよりも、広末涼子、吉川ひなの、木村佳乃、長澤まさみなどの女性たちと浮き名を流してきたことで知られる。 森はファッションデザイナーの森英恵を祖母に持ち、18歳でパリの社交界にデビューした超セレブだという。 2人は、この日を含めて何度も目撃されているそうだ。きっかけは、森が出演している『新チューボーですよ!』(TBS系)に伊勢谷がゲスト出演したことだという。森は「好きな人ができたの!」とうれしそうに話していたそうだが、伊勢谷は結婚する気はないそうだ。 その理由は、彼が3歳の時に両親が離婚をして、なんと父親は7度の結婚歴がある超プレイボーイだからだそうだ。 彼は「オレは父親に似ているから、絶対結婚には向いていない」と周囲に話しているようだ。そんなところが、女からするとたまらないんだろうな。オレも言ってみたかったな。 文春のトップは「籾井会長大暴走を支える『NHK美人記者』」という思わせぶりな特集。NHKの美人記者といえば、安倍首相に一番近いといわれる、東大法学部卒で解説委員の岩田明子氏のことであろう。 もしや、岩田氏が籾井会長と“男女の仲”になっているという大スクープかと思って慌てて読んでみたが、そうではなかった。 要は、安倍首相が子飼いの会長として送り込んだ籾井氏が、周囲の反籾井の人間を次々に追っ払い、モンスターへと変貌を遂げつつあり、再任をもくろんでいるというのだ。 官邸も手を焼いていて、「再任だけはなんとしても避けなければならないが……」(政府高官)と困り果てているというのである。安倍首相の人を見る目がないことは、閣僚や自民党議員に次々不祥事が発覚することで証明済みだが、一番始末が悪いこの籾井氏を会長の座から引きずり降ろすのは、安倍首相、あなた自らやるべきだろう。 第9位。新潮が追及している民進党・山尾志桜里政調会長の政治資金問題だが、山尾氏は例によって「秘書が秘書が」で、責任逃れをしようとしている。 そこで新潮は「動かぬ証拠」として、山尾氏が選挙区の民家を賃借して「さくら館」と名付けて政治活動しているが、そこでの活動費が一切計上されていないのは「違法性が高い」と指摘したが、山尾氏は、常時使用している場所ではないので、総支部、後援会の事務所であるという認識に欠けていたと説明した。 だが、彼女のブログには「さくら館オープンに向けて準備中」と告知を載せ、記念写真まで掲載しているではないか。確かにその写真には「民主党愛知県第7区総支部長山尾しおり 後援会事務所」と、大きな看板と山尾氏が映っている。またそのブログで、何度も「さくら館」での政治活動状況について報告しているという。山尾氏は、早く出処進退を明らかにしたほうがいいと思うのだが。 現代のスクープでもなんでもない記事だが、素朴な疑問に答えているページが好きだ。 マックはともかく、ユニクロの最近の落ち込みは尋常ではない。16年2月の中間期連結決算で、純利益が前年同月比で55%も減り、8月の通期決算でも2期ぶりの最終減益になる見通しだというのである。 ユニクロの東京近郊にある中型店舗の店長(20代)が言うには、新製品が売れないそうだ。たとえ売れなくても新商品が追加されるため、在庫が積み上がるから、売り上げを保つために従来品を値下げせざるを得なくなる。そうすると安くした商品しか売れず、新商品はますます売れない悪循環に陥っているという。 現代は、ユニクロの不振には値上げよりも深刻な要因があるというのだ。「それは、ユニクロというブランド自体が消費者から『飽きられた』という事実だ」(現代)。中内功がつくり、初めて小売業界の雄になったダイエーと同じように、イノベーションが止まると消費者は離れていく。そう、消費者という大衆は「わがまま」なのである。 ユニクロも、株主の期待に応えて会社を大きくしたい、もっと稼ぎたいと思っているうちに、消費者にもっとよい物を提供するという原点を忘れてきてしまっているのではないかと問う。 マックもユニクロも、現状は極めて深刻である。アメリカの文化だったマックが出てきたときは、アメリカを感じたくてマックに並んだ。ユニクロのフリースは、どこの家でも2~3枚はあるだろう。スターバックスコーヒーも、当初の頃のありがたさは薄れてきている。 この「ありがたさ」を取り戻すのは至難である。柳井正氏の真価が問われている。 オバマ米大統領が、5月の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)の際に、広島を訪問することを本格的に検討しているという。 実現すれば、結構なことだと思う。G7広島サミットに来ていた米国のケリー国務長官らが、広島平和記念資料館(広島市)を訪れた。特にケリー氏の訪問は、オバマ大統領の広島訪問が国内でどう受け取られるかの下見だといわれている。 いくつかのアメリカメディアは反発しているようだが、おおむね平静のようだ。ポストは、アメリカで、オバマ大統領が広島で「謝罪」の言葉を述べれば、アメリカは安倍首相もアメリカの真珠湾で「謝罪」せよという声が出るのではないかと危惧し、そういう言い方をするアメリカは傲慢だと難じている。 だが、ポストが心配しているようなことは起こらないだろう。オバマ大統領は広島を訪れて手を合わすだろうが、アメリカが原爆を落としたことへの謝罪をするとは思えない。「二度とこのような悲惨なことがあってはいけない」とは言うだろうが。 危惧するのは、日本の右派論陣が「オバマ大統領は謝罪せよ」と言ったり、デモを起こすことだろう。 アメリカが原爆を落としたことを謝罪するなら、そうしたことを引き起こした天皇の戦争責任を再び議論しなければならないはずだ。静かに手を合わせて祈る。そうして、二度とこういう悲劇を起こした戦争を引き起こさないよう誓う。それが時代を一歩進めていくのだ。そのためにも、ぜひオバマ大統領には広島へ行ってもらいたいと思う。 甘利明前経済再生担当相の金銭授受問題が動きだした。文春は一色武氏の証言で、UR都市機構の内部にも2人通報者がおり、100万円ぐらいを接待費に使っていたという事実を突き付けている。 そのうちひとりは、一色氏にカネを返してきたそうだ。文春の直撃に「工事を進めるためにやったことだ」「クビになる覚悟はできている」と話している。 だが、ようやく東京地検が乗りだしてきて、いよいよかと思うと、すこし様子が違うと文春は言うのである。 「特捜幹部は腰が引けています。衆参ダブル選が噂される中、安倍政権からにらまれることを恐れている。今回の強制捜査も、甘利事務所や清島氏の自宅は家宅捜索されないという異例の形でした」(社会部記者) 日本では三権分立が機能していないという、いい見本である。 第5位。東京も小さな地震が頻発している。いつ首都直下型地震が起きても不思議ではない。それなのに、舛添要一東京都知事はのんきにニューヨークへ桜見物に出かけたと、文春が報じている。就任以来わずか2年で、海外出張費は2億円を超え、本年度も年間3億5,300万円もの経費が計上されているという。 文春は舛添都知事の過去の海外出張の記録を情報公開法に基づき開示請求したが、肝心な箇所はすべて黒塗りになっていた。ロンドン・パリ出張では「現地案内人の経費」として532万8,000円計上しているが、人数やひとり当たりの単価、時間が黒塗りでは適正かどうか検証できない。 これでは、後ろ暗いことがあって隠していると思われても致し方ない。文春は舛添都知事が国会議員時代、「国民の税金で億単位の借金を返済した疑惑」(新党改革の事務総長を務めていた山内俊夫・元参議院議員)や、彼と付き合っていた女性との間にもうけた男の子の養育費を、収入が激減したから減額してくれと調停を起こした件を持ち出し、「養育費は値切るが、血税は乱費する」と難じている。やはりこの人は、都知事などになってはいけなかった人なのである。 ところで、鈴木敏文セブン&アイ・ホールディングス の会長兼CEO(83)が突然記者会見を開いて、退任すると表明したのには驚かされた。 それも、井坂隆一社長に対して「COOとしては物足りない」「7年もやったのだからもう(退任しても)いいだろう」と内示を出したのに、2日たってから「『あの内示は受けられない』『私はまだ若いし、マンションの支払いもあるとけんか腰で向かってきた」と、日本を代表する企業の会長とは思えないブチ切れ会見に、記者たちもあ然とした。 先週の現代によれば、鈴木氏は井坂氏を退任させ、腹心の人間を後任に昇格させる人事案を提出したが、否決されてしまったために辞めることを決意したというのだ。 その背景には、イトーヨーカ堂の創業家との確執や、鈴木氏の息子を将来社長にしたい思惑があったといわれる。このようなやり方に反鈴木派は、外資系ファンドを巧みに利用しながら、人事に揺さぶりをかけたというのである。 新潮には、4月7日にセブン&アイの本社で行われた取締役会の模様を詳しく報じている。鈴木会長が井坂社長の退任を求めた2度の指名報酬委員会で、2人の社外取締役が、好業績が続いているセブン-イレブンの社長を交代させる合理的な理由がないと反対したため開かれた。 表決は取締役15人の投票によって行われ、鈴木会長の提出した新人事案に賛成が7票、反対が6票、棄権が2票で、わずかだが過半数に達しなかったため人事案は否決された。そして、取締役会後に鈴木会長は「オレは辞める。勝手にやってくれ」と言って、その日の午後、先の記者会見となったのだ。 鈴木会長が息子の康弘氏を社長にしたがっているというのは事実のようだが、それには鈴木会長の体調の問題も絡んでいるという。 昨年11月に鈴木氏は「硬膜下血腫」で倒れてしまった。「鈴木会長は焦ったでしょうね。自身の健康に不安が生じ、おちおちしてはいられなくなった。自分の意識がしっかりしているうちに、早く息子に継がせる体制を整えなければならない、と考えたはずです」(セブン&アイの関係者)。それだけに、鈴木会長が簡単に経営から手を引くとは思えないという声は多いようだ。 今週は、現代とポストが鈴木氏の直撃をしている。現代は先週の記事が鈴木氏の気分を損ねたようで、独占とうたっているが、少し苦しい。 ポストも立ち話だが、鈴木氏はかなり話したいようだ。要は、“息子を後任に据えたくてゴリ押ししている”といわれるのが嫌なようで、「親族が後を継ぐことには、基本的に僕は反対。セブンの場合でなくてもね」と答えている。 鈴木商店といわれているだけに、社内に鈴木復帰を求める声は少なくないようだ。鈴木氏にはショックだろうが、彼が退任発表後に、株価は上がったそうだ。市場が鈴木氏退任を評価しているということだ。 名経営者であっても、晩年を汚すケースは多い。鈴木氏はダイエーの中内功になるのか、すっぱり65歳でホンダから身を引いた本田宗一郎になるのだろうか? 第3位はポストの巻頭、朝日新聞の押し紙問題である。公正取引委員会が、朝日新聞の販売店が、新聞の注文部数を減らしたいと申し入れたにもかかわらず、同社の営業社員は考え直せと突っぱねたので、たまりかねて公取委に申告したのだ。 そこで公取委は、放置すれば違反につながると朝日新聞側にイエローカードを出したというのである。 ここには、新聞業界最大のタブーとされる「押し紙の問題」がある。押し紙は販売店の損失になるが、これまでは折り込み広告や、押し紙1部につき月1,500円の補助を出していたから続いてきた。 ポストによれば、慰安婦問題などで14年に約740万部あった部数が10月には40万部減らし、現在は660万部まで落ちているという。しかも、そのうちの25~30%が押し紙だというのだから、実数は500万を切るのではないだろうか。 これは、1位を誇る読売新聞とて同じである。新聞の窮状がうかがえるが、もうひとつ見逃せないのが、公取委が押し紙問題に積極的になった背景である。 公取委は、総理大臣直属の行政委員会なのだ。したがって、自分の気に入らないことを書く朝日新聞に圧力をかけるには、安倍首相にとって好都合なのである。 「いまや新聞は安倍政権に完全に生殺与奪の権を握られたのである」(ポスト) 権力は強く、怖い。押し紙をたった今なくせと言われれば、新聞全体が立ち行かなくなる。新聞界最大のタブーが、自分の首を絞めることになっているのだ。 今週の文春一番の読み物は、藤原紀香と結婚を発表した片岡愛之助の「隠し子のDNA鑑定を要求していた」である。 私は忘れていたが、愛之助は5年前に、大阪・北新地のホステスとの間に男の子がいると報じられていたのだ。その大宮美絵さん(47・仮名)が、文春に対して愛之助の実のなさを告白している。 その前に、愛之助の経歴をさらっておこう。彼は一般家庭の出身で、松竹芸能で子役として活躍するうちに、故・十三代片岡仁左衛門の部屋子となり、片岡千代丸として歌舞伎デビューした。高校を卒業すると仁左衛門の息子の片岡秀太郎の養子となり、六代目片岡愛之助を襲名する。 美絵さんが愛之助と出会ったのは、18年ほど前。親しくなった愛之助は、難波の松竹座の近くにあった彼女のマンションに泊まるようになる。彼女は愛之助の実家の実父母も公認の仲で、実母は彼女が妊娠中にがんで亡くなっているが、彼女が看取ったと話している。 子どもが生まれると、愛之助は大阪府内にマンションを購入して、彼女もホステスを辞め、3人で暮らし始めたという。 「息子の名前は、彼の実のお父さんがつけはったんです」(美絵さん) 愛之助は釈明会見で、母子とは3~4ヶ月暮らしただけだと説明していたが、美絵さんによると、「彼が出て行ったのは息子が幼稚園の年中(4~5歳)のとき。もちろん父親が誰かということもわかっています」。彼女はマンションを貸してアルバイトをしながら夜間学校に通い、資格を取ったという。 息子にお金が必要なときはその都度、愛之助にメールをして振り込んでもらった。14年の年末になって、「お金のことでごちゃごちゃ言われるのも嫌やから」と弁護士を立ててきて、それからは定期的に養育費を支払うようになったという。 愛之助は紀香との交際が発覚したときも、当時付き合っていたタレント熊切あさ美のマンションから何も言わずにいなくなっている。この男、相手が嫌になると説明責任を果たさず、屁のように消えるのが得意技のようである。 そんな愛之助が、よりによって結婚会見の翌日、代理人の弁護士に「先方が(息子の)DNA鑑定をしてくれと言っている」と言わせたというのである。 「5年前、隠し子騒動として報じられたとき、自分の息子だと発表したにもかかわらず、今さら何で? と強いショックを受けました。(中略)息子をどうするつもりなんでしょうか」(美絵さん) 読んだ感じだが、このDNA鑑定うんぬんはほかに何か事情がありそうだ。愛之助は自身のブログで、「今の時期に突然のことで、しかも事実とかけ離れた記事の内容が出ており、僕自身 大変驚いております」と書き、「この件に関しましては、弁護士を立て以前より話をさせて頂いております」としている。 だが、どんな事情があったとしても、愛之助が“不実”を重ねてきた男ではあるようだ。紀香との結婚も共白髪までといくかどうか、前途は多難のようだ。 今週の第1位は、アサ芸と新潮の発売前から話題になっていた、バドミントンのエース・桃田賢斗(21)の「美人ママとキス現場写真」である。 この写真は、火曜日に発売されたアサヒ芸能に出ている。ワイドショーなどではアサ芸については触れていなかったようだが、発売日からすればアサ芸のスクープである。 新潮は「キス“以上”の現場写真」と、タイトルがうまい。 アサ芸は、暴力団関係者が「桃田が錦糸町界隈で派手に遊んでいるのは有名だった。キャバクラやスナックを飲み歩くうちに、複数のヤクザと顔見知りの関係になったと聞いている」と話し、桃田がしている超高級時計のひとつはヤクザにもらったと、桃田がひけらかしていたと報じている(NTT東日本広報室はヤクザとの交友については否定)。 写真の1枚は、女性にせがまれて桃田が目を閉じてキスに応じているもの。もう1枚は、マイクを持って唄っている桃田に、ミニスカートがまくれ上がった女性が馬乗りになろうとしている。 新潮によれば、おととし年末頃、墨田区内のカラオケスナックで撮られたものだという。だとすると、桃田はまだ20歳になったばかり。 闇カジノに何度も出入りしていたことが明るみに出て、田児賢一(26)はバドミントン界から無期限の登録抹消、桃田は無期限の試合出場停止になったことは多くのメディアで報じられた。 この第一報は産経新聞だが、新潮はことが明らかになり、警察が動きだしたのは、桃田にかかってきた1本の電話だったと報じている。 その電話は、3月30日の午後だった。「桃田さんですか。私は代理の者です。あなたは違法な会員制の店に通っていましたよね。女性と一緒に写っている写真も見ましたよ。よろしければ一度、お会いして話しませんか」。丁寧だが、有無を言わせない口調だったという。 21歳の世間知らずの若者が震え上がったことは、想像に難くない。新潮が取材を進めると、この電話の主はある映像ディレクターで、闇人脈にも通じているという。彼によれば、知人のフリーライターが、田児が闇カジノで遊んでいるという情報をつかんできたので、取材に協力するつもりで関係者を当たってみたら、桃田も一緒にカジノに出入りしていたことがわかった。写真も目にした。そこでライターに代わって、桃田に電話をかけたというのだ。 この人物、脅したり写真を買い取らせるつもりはなかったと話しているが、裏がありそうだ。それはともかく、驚いた桃田はそのことで動転して、結果として警察が動きだし、産経が嗅ぎつけたということらしい。 有名になって派手な生活がしたいという桃田の夢は、身から出たさびというしかない乱脈な私生活が暴かれ、消え去ってしまったのである。 【巻末付録】 ポストのグラビアは「もう一度きれいな渡辺さん」。私もお世話になったカメラマン・渡辺達生氏の撮った多くの女優、タレントたちの思い出の写真の数々。艶色美熟女図鑑は「波多野結衣さん 27歳」。それに、セクシーではないが「とにかく可愛いカトパン研究」。この中では、やはり渡辺氏の写真がいい。 現代は「海外セレブのSEX」、高橋洋子の「初めての裸身」「これからどうするの? 片野萌美 第一話」、袋とじは「『125種類』の女性器ぜんぶ見せます」。女性器には、大きさにもいろいろあるという。大きいのは8cm、小さいのは5cm以下。いろいろな女の子たちが、私のはこれぐらいと、現代の作ったカードをもって出ている。大変な労作だとは思うが。 その分、疲れたのか、記事のほうは「女優がオッパイを見せるとき」というお手軽企画。DVDで古い映画を見るために役立つとは思うが。 ポストは「過去最大のボリュームで贈る『死ぬまでSEXスペシャル』」で、今週は前編だという。カリスマ美女医、熟女のホンネ、最先端フーゾク、出会い最新事情、ラブグッズ、最強エロ動画サイト、官能小説など、これでもかの連続。 史上最強のエロ動画検索サイトが「マスタベ(masutabe.info)」だそうだ。そこに新着順、人気順、無修正などと入れるとズラッと出てくるそうだ。 これだけ力を入れているのに、熊本の地震には人とページを割けなかったのだろうかと、また疑問が出てくる。 そういえば、文春の「『トイレ探検隊』がゆく!」の中に、災害時にはトイレが一番の問題になるから、「携帯トイレ」(日本橋にある「総合サービス」が製造販売)が優れものだという。 高密閉チャック袋1枚つきで830円。大手デパートやホームセンターで売っているそうだ。災害時には「携帯電話よりも携帯トイレですぞ」。早速、買いに行こう。 ということで、今週は量で圧倒のポストの勝ち! (文=元木昌彦)「アサヒ芸能」(4/21号、徳間書店)
↧
校了直前に巨大地震発生! 週刊誌は「熊本地震」をどう報じた?
↧