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ごはんもけっこう大盛りに盛られた丼から、大胆にハミ出している半身の鶏から揚げ。
どうよこの丼のバランス、ちょっとおかしくね?
丼の上に乗っかってるのは、鶏の半身のから揚げだ。下にあるごはんというか、丼からは完全にハミ出している。
と、ここまで書いて謝罪しなくてはいけない。というのも、鶏を丼の上に載せたのは店の人ではなく筆者である。巨大から揚げ丼になる前は、こんな感じの定食デシタ。
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丼の正体は、実はこんな定食だった。こんな大きな鶏、クリスマスの時以外食べたことがない。
半身のから揚げは別皿に盛られていたのだが、それにしてもバランスが……。
これは、函館の住宅街にポツンとある「たつみ食堂」の名物メニュー『ジャンボとり定食』だ。このでっかい鶏定食を出すひなびた食堂が、函館で有名な店だ。
時折、雪を散らしてクルマが通る音が聞こえてきそうなほど、店内は静まり返っている。筆者が入店した午後8時頃に客はなく、注文するとお母さんの返事があり、その後は小さなポータブルラジオから甲高い声と切ない音楽が流れているだけ。後から入って来た常連とおぼしき普段着の客もやはり、注文のときと、「ごちそうさま」という二言しか発しなかった……。
函館の街には外国人観光客もたくさん訪れているだけに、知らない外国人が入ってきたら、ここはおしゃべりしてはいけない店だと思ってしまうのでは? と思うほど言葉数の少ない、ひっそりとした店なのだ。
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路面電車の停留所からも少し離れた住宅街にぽつりとある小さな食堂が、実は有名な食堂だった。
肝心の鶏にかぶりついてみると、皮はパリッ、中はめっちゃジューシーで味付けも良く非常に美味しい! さすが、名物料理。このジャンボとり定食で函館でも有名なのか、と思ったらさにあらず。有名な理由は別のところにあった。
なんとこの「たつみ食堂」は、去年の3月に連続営業7,500日を達成し、今年中に8,000日に達する予定という、脅威的な皆勤賞の食堂なのだ! 実に21年以上“年中無休”で営業していることになる。「週休二日は必須!」なんてほざいてる筆者は、顔から火が噴き出しそうでした。
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21年間、1日たりとも休んでいない食堂ってのは、ひょっとしてギネス記録?
お客様のため、“安くて美味しくて、休まない店”というのが店主のモットーというだけあり、それはジャンボとり定食ひとつとっても、大きくて安くて美味しくて、それが毎日食べられる納得の店なのだった。たいへんうもうございました。
函館 たつみ食堂『ジャンボとり定食』1200円
インパクト ☆☆☆
味 ☆☆☆
店 ☆☆☆
(写真・文=よしよし)