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「淘宝網」に、1月3日時点で出品されていた日本の福袋の数々
日本人や中国人による福袋の買い占め行為が物議を醸しているが、中国では日本で購入されたと思わる福袋の転売合戦が繰り広げられている。
中国最大のECサイト「淘宝網」(タオバオ)には、日本のさまざまな人気ブランドの福袋が多数出品されている。
例えば、若い女性に人気の「サマンサタバサ」。日本では1万800円(税込/以下同)で売られていたこの福袋を、ある出品者は約1万2,300円で売り出しており、すでに32点が販売済みだった。
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サマンサタバサの福袋。利ざやは、わずか1,500円ほどである
また、女性下着ブランド「ピーチ・ジョン」の部屋着などが入った5,000円のルーム福袋を約6,600円で販売していた出品者は、52点を売り上げていた。
さらに、かつて一世を風靡したA BATHING APEの2万1,384円の福袋は約2万7,000円で出品されており、その価格にもかかわらず、61点が販売済みという人気ぶりだった。
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日本でも物議を醸したスタバの福袋。日本のヤフオク!では、10倍以上の転売価格が付けられていたものもあったというが……
一方、都内の店舗で、用意されていた108点の福袋が、先頭に並んでいた人物にすべて買い占められる事態が発生した「スターバックスコーヒー」の福袋は、「小」(3,500円)が約5,300円で、「大」(6,000円)が約1万1,200円で出品されていたが、販売数はまだゼロだった。
……と、ここまで見たところ、福袋の転売価格は最大でも日本での販売価格の2倍以下。購入までの手間や、日本から中国までの送料を考えれば、意外と利ざやは小さそうだが……。中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏は、こう話す。
「乗っかっている利ざやが小さい理由は、それだけ中国に転売される日本の福袋の総量が多く、競争原理が働いているからでしょう」
福袋の転売は中国だけでなく、国内でも行われているが、こうした状況が続けば、縁起物として受け継がれてきた福袋という文化は廃れてしまうことになりかねない。
(文=牧野源)