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Channel: 日刊サイゾー
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被害総額数千万円! 20兆円規模の中国電子マネー市場を狙う、“悪質ハッカー”の正体とは

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中国の警察が公開した、サイバー犯罪者と部屋の様子(イメージ画像)
 スマホの映画チケット予約アプリのセキュリティホールを悪用し、ユーザーが送信する情報を盗み取って6,000枚近いチケットを詐取したグループが逮捕された。詐取したチケットを第三者に転売し、利益を得ていたという。犯人は上海を拠点に犯行を重ねていた3人の男たちだった。「新浪新聞」などが12月10日付で報じた。  しかし、逮捕されると余罪が明らかに。このグループは同様の方法で、スマホで購入できる宝くじアプリからチャージされた金額を盗み取り、少なくとも100万元以上(2,000万円以上)の利益を得ていたという。  主犯格の男は、スマホで映画のチケットを予約した際、処理済みの内容に不正アクセスできることを発見。通常通り数十元で購入した後、価格を0.01元(約0.2円)、0.1元(約2円)などに変更して、不正取得を繰り返した。2014年10~11月の間、広州の映画会社が運営する映画チケット予約サイトから不正に得た交換コードは5,600枚余りで、通常の価格に換算すると35万元(約700万円)に上る。チケットはすべて転売していた。  味を占めた男が次の目標としたのは、ある宝くじの購入サイトだった。男は犯罪方法をチャットやメールなどを通してほかの2人に伝え、グループによる犯行が始まった。11月19日、宝くじサイトのチャージシステムのセキュリティホールを利用して、購入価格を変更。サービスセンターに「チャージしたのに、金額が表示されない」とクレームを入れ、5,000元(約1万円)分チャージしてもらうことに成功した。この方法で、計5万元(約10万円)分のチャージを詐取。うち1.5万元(3万円)を宝くじ購入に充てていた。その後、3人はそれぞれ単独で犯行を繰り返し、被害額は100万元(2,000万円)に上ったという。  主犯格の男は窃盗罪、詐欺罪、教唆の罪で懲役13年と罰金8万元(約160万円)の刑に処された。残る2人も、それぞれ詐欺罪で有罪判決となった。  中国では、こうしたセキュリティホールを利用した不正取引や詐取が相次いでいる。「揚子晩報」(12月9日付)によると、江蘇省揚州市で、ゲーム商品をネット販売する会社のシステムにセキュリティホールが存在することを、大学生カップルが発見。同サイトが販売している1枚10元(約200円)のカードを100元(約2,000円)で返品する不正操作を行い、差額を詐取して総額29万元(約580万円)を得ていたことが判明。警察に逮捕されている。  中国は、日本以上に電子マネーや電子決済が普及しているが、不正や犯罪はなぜ起こるのか? 中国在住経験のあるITライターは言う。 「中国の電子マネー市場は20兆円といわれていて、スマホのオンライン決済だけでも14兆円あります。これだけの市場規模になれば、犯罪が増えるのも仕方ない。またロシアやナイジェリアと同じ構図で、悪質ハッカーが生まれやすい土壌もある。すなわち、就職できない大卒者が多く、彼らは知識と時間とパソコンだけがある。サイバー犯罪に手を染めやすい環境にあるということです。景気減退で就職難となり、理系の大卒者でも職にあぶれる時代です。今後も、こうした犯罪は増えていくでしょう」  とにかく、日本の市場に害が及ぶことだけは阻止したいところだが……。 (文=棟方笙子)

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