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写真共有アプリ「写真袋」運営者が児童ポルノ放置容疑で逮捕! ユーザーの感覚をまひさせた課金システムとは

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「写真袋」より
 先月、スマホ向け写真共有アプリ「写真袋」の運営者が逮捕された。このアプリは、2012年1月に面白法人カヤックがローンチしたアプリで、110万ダウンロードを突破。13年10月に株式会社AIRCASTへ譲渡されている。先日、テレビを見ていたら、芸能人のスマホ画面に「写真袋」のアイコンが表示されており、案の定、炎上した。ホーム画面を人に見せる場合は、細心の注意を払うことをオススメする。 「写真袋」は写真をアップロードして合言葉を設定、相手にそれを教えて共有する仕組みで、本来、友人とイベントの写真などを共有するためのアプリなのだが、匿名性の高さから、ローンチ当初より、怪しい画像のやりとりに使われていた。オリジナル画像をアップするユーザーは“神”としてもてはやされ、次第に違法性の高い児童ポルノ画像が流通することになった。情報交換には、2ちゃんねるやLINEが使われた。当時のログを見ると、面白いことに「警察が24時間監視しています。わいせつな画像及び動画がダウンロードできる合言葉を公開した場合は即時通報します。近いうちに必ず逮捕者が出ます」といった警告の書き込みもされている。今となっては、リアリティがある。  13年の事業譲渡時のプレスリリースにも「本アプリのサービス内容に特に変更はございませんので、引き続きご利用可能です」とあり、状況は変わらず。それ以後も多数のユーザーが利用し、総ダウンロード数は400万を超えた。譲渡直後の14年1月には、「写真袋」に児童ポルノ画像を公開した19歳の専門学校生が逮捕されている。カヤックが譲渡したのは、絶妙なタイミングだったといえる。  クローズドなコミュニティで怪しい画像が回る場合、数人の“神”が流した画像が増殖するだけで、そのうち廃れていくもの。しかし、「写真袋」が盛り上がったのはユニークな課金システムが原因で、新規画像が次々と投稿されたのだ。  ユーザーがアップロードした画像は、一定時間は無料で閲覧できる。それを過ぎると、閲覧するには有料で購入する「ハチミツ」が必要になる。これが、運営会社の利益となった。さらに、「ハチミツ」を使って閲覧された写真を投稿したユーザーは「金のどんぐり」をゲットでき、それをiTunesのギフトカードなどと交換できるのだ。そのため、みんな小遣い稼ぎでせっせと新規画像を投稿した。さらに、問題になったのが、少女が自撮りした写真を投稿したこと。当然、すごいダウンロード数となり、そこそこの金額が動くことになる。なんと13年11月から1年8カ月で、約1億5,000万円の利益があったとのこと。“優良”投稿者にも、大きな金額が支払われたと考えられる。  写真共有プラットフォームを提供しただけで逮捕、という文脈だと乱暴に思えるが、この課金システムと報酬システムが友人同士の共有を目的にしているという言い訳は苦しい。また、少女たちも気軽に投稿した写真はコピーが繰り返され、永遠にネットの世界に残ることをわかっていない。  今震えているのは、「写真袋」で児童ポルノ写真を投稿したユーザー、ダウンロードしたユーザーだろう。クレジットカードで課金したり、自分のスマホからアクセスしたなら、AppleやGoogle、ISPらが協力すれば、警察が身元を突き止めるのは簡単。全員を検挙することはないだろうが、見せしめ逮捕の被害者にならないように祈るしかない。  現在、類似のアプリは10個以上公開されている。くれぐれも、うかつに手を出さないようにしよう。 (文=柳谷智宣)

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