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Channel: 日刊サイゾー
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かわいさあまって、生々しさ100倍?「錦江渡り鳥眺望台」

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なんかでっかい鳥さんが。
 韓国は「ゆるキャラ」ではなく「マジキャラ」の国、というのは私の持論だが、今回のスポットも、プロデュースする側は相当に本気である。  日本統治時代の家屋が保存され、観光客を集める群山(クンサン)市。北部に流れる川・錦江(クムガン)は渡り鳥の渡来地として有名であり、その岸辺に2003年に建てられたのが「錦江渡り鳥眺望台」だ。毎年秋になると「群山世界渡り鳥祭り」が開催され、家族連れから鳥を激写したいマニアまで、多くの人が訪れるとか。  鳥を眺め、鳥について学習することを目的とするこのスポット。ソウルから3時間かけて訪れてみたところ、メインとなる青い眺望台は、よくある健全な展望台・博物館という印象だ。一方、渡り鳥に関するオリジナル3D映画を上映したり、誰でも装着できる鳥のかぶり物を設置したり、展望室から見える田んぼが鳥の形に刈られていたりと、鳥への過剰な愛を感じさせる部分がちらほら。  しかし、これもまだイントロダクションだと知るのは後のことである。
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レトロな雰囲気もある展望室。
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鳥のかぶり物をかぶって自由に撮影できる。
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展望室から見える田んぼは、鳥の形に刈り取られていた。大変な労力だ。
 眺望台を下り、鳥のいる公園、卵の形をした孵化体験館などを見学した後は、入り口で見かけたでっかい鳥さんのほうへ。巨大なカモがつぶらな瞳でちょこんと座っている姿は、なかなかキュート。女子の人気を集めそうないいオブジェだなと思い近づいてみたら、なんと入り口があり、中に入れる構造となっている。早速、そちらのほうへ向かってみた。
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口から中に入れるよう。
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えっ?
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あっ……。
 外見と違って、グロい……。実はこの鳥さん、鳥の体内を紹介する「渡り鳥身体探検博物館」となっているのだ。  入り口から目前に広がる光景のうち、中心の赤い管が食道、その奥のピンクの臓器が肺。いくら鳥のすべてを伝えたいからといって、そこまでリアルにしなくても……。わざわざ口から入るという構造も、臨場感をいやに増している。
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入り口の天井部分、くちばしの裏から生々しい。
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肺の間を通って下の階へ。右下に見えるのは心臓と、胃に行く前の食べ物を蓄える臓器「そのう」。
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そのうの中のアーモンドまで忠実に再現。鳥の臓器マニアにはたまらない。
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空に浮くのは宮崎アニメの飛行船? いや、肺だ。肺のまわりについている肉塊は、酸素を貯める「気のう」という臓器(勉強になる!)。
 私が見学している間に、2人の韓国人女子が展示室に入ってきたが、肺のあたりで足を止め、急いで引き返してしまった。外観の印象だけでうかつに入ってしまうと危険だ。  内臓の導くまま奥のほうへ向かうと、腸の先に肛門が現れた。
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肛門から……
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ぷりっと外へ。
 鳥の内部をしっぽり歩いた後の外の空気はとてもさわやかで、深呼吸しながら思わず自分の内臓の動きを確認。生きているってミステリーだなと思った。そして何より、鳥へのあふれる愛を感じさせる素晴らしい博物館であった。  あと、そこら中に吊り下がる肉塊に、1カ月前、安倍首相が安保法案を解説する際に使った、肉塊のようなジオラマを連想したのは私だけではないはずだ。あの放送を目にした韓国の珍スポフリークたちも、錦江渡り鳥眺望台に思いを馳せたのでは、と想像しながらソウル行きの高速バスに乗った。 ●錦江渡り鳥眺望台 住所 群山市聖山面チョルセ路120(聖徳里411-1) 営業時間 10:00~17:00  定休日 なし 料金 大人2,000ウォン HP < http://gmbo.gunsan.go.kr> (文・写真==清水2000)

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